トップページ » 2016年10月21日

大雅閠窓ァ禅師の足跡を訪ねて

大雅禅師1.jpg

来年は白隠慧鶴禅師の250年遠諱の正当年であるのは既にご承知の通りと存じますが、さらに昔、永正15年に遷化された大雅閠窓ァ禅師(?~1518)の500年遠諱正当の年でもあります。

大雅閠窓ァ禅師という方をご存知でない方の方が多いであろうと思いますが、禅師は大本山妙心寺の四派の一つ、聖澤院の開祖である東陽英朝禅師について、その法を嗣ぎ、尾張一宮の瑞泉寺に住し、妙心寺にも出世した方。また、岐阜美濃加茂にある八百津の大仙寺で東陽英朝禅師に続く二世となり、近隣の宝蔵寺や大通寺を開山し、同じく近隣の南陽寺三世、米山寺(現在の正傳寺)二世、臨渓寺二世となられ、最晩年は大仙寺にて遷化されました。

聖澤派では、来年春に禅師の遠諱法要をお勤めになりますが、それにむけて禅師を研鑚するために図録資料集を作りたいというご意志があり、弊所はそのお手伝いをさせていただくことになりました。

先般、岐阜は八百津の地を訪ね、大仙寺、宝蔵寺、南陽寺、正傳寺、大通寺をまわり、残された資料や書画等がないかを調査し、撮影してきました。
なにしろ500年前の方ですから、そうそう墨蹟などが残っていません。それでも貴重な資料を拝見し、撮影してきました。ないと聞いていた御木像もあり、また禅師が安座されたという古い観音様も目の当たりにし、貴重な調査となりました。

大雅禅師2.jpg大仙寺の歴代塔。ほぼ中央に大雅禅師の卵塔が遺る。

by admin  at 14:43  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)

サンガセミナー 「掛け軸の扱い方講座」ご案内

来月開催されるサンガセミナー 第5回のご案内です。
「掛け軸の扱い方講座」という、少々マニアックな講座を行ないます。
大学で博物館学を修得されないと、ほぼ、こんな講座に出会う機会はないかと思います。
軸物を扱う事が多い僧侶の日常ですが、師匠に教えられたりしたらまだいい方で、案外、正式な扱い方を知らず、ぞんざいに扱ったりされていませんか?

2013-12-06-13.19.44.jpg禅文化研究所では、現在、全国の臨済黄檗寺院を対象にし、デジタルアーカイブス事業をすすめています。各地の寺院に眠る宝物什物のデジタルデータベースを作っていくために、許可を得たお寺に出向いて調書と写真を撮って整理していくのですが、とくに大変貴重な軸物を扱うときには、作業に熟練した学芸員や私たちであっても、調査に伺っている寺院ご住職に心配をおかけしないように充分に注意をして作業をしています。誤って折りを付けてしまっては大変な失態となってしまいます。

今回の「掛け軸の扱い方講座」は、このデジタルアーカイブス事業に協力していただいている、花園大学歴史博物館の学芸員である志水一行氏に、講師をお願いしています。

わかっているようでわかっていなかったことがあるかもしれません。この機会に、掛け軸の扱い方を正式にマスターしてみては如何でしょうか。
もちろん、僧侶に限らず、一般の方でも受講頂けます。

お申し込みはお早めにこちらから。

by admin  at 13:17  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)