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遠諱記念茶会 於:高台寺


160229.jpg遠諱関連のおしらせを度々させていただいておりますが、本日は東山にあります高台寺さんからのお知らせです。

2016年3月13(日)、14日(月)、15日(火)と、高台寺教化ホールにて、煎茶道方円流のお茶会が無料にて開催されます。是非お運びいただければと思います。

詳細はこちらをご覧ください。

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憧れの背振山 -栄西禅師ゆかりの地-

もはや10年以上も前の事でしょうか、茶の湯の稽古場でのこと。

師匠が、「宗匠とうちの主人が背振山に行って来たのよ……」と話しておられ、何の事かとよくよく聞いていると、なんでも栄西禅師が唐より帰国され、最初に茶の種を植えられた山だという事で、私の中でそれ以来憧れの地となっていました。
*詳しくは、霊仙寺の石上坊にて、1191年に宋より持ち帰った種を撒き、茶を育てたとか。

160226-1.jpg福岡市と佐賀県神埼市にまたがる山で、ネットで情報を調べるのですが、いまいち確かな事がわからぬまま、ともかくその昔、修験の山として栄えた背振山にその中心的寺院として存在したという霊仙寺跡を訪れたらおのずとわかるであろう・・・と。

160226-2.jpg閉鎖になっている山道も多く、もはやどのルートで行ったのかわからないほどに迷いに迷ってやっとたどり着いた地。
観光地化されているとは言いがたく(さすがにあまり訪れる人がいない模様)、地元の人に聞いても知らない方ばかり、なかなかに難儀しました。

160226-3.jpg倒れていましたので、とりあえず岩にたてかけておいてみました……。努力してみたのですが、どうしても真っ直ぐできなかった事をお許しください。

160226-4.jpgこの辺りが、最初に茶を植えたとされる石上(いわかみ)坊跡です。
続いて、霊仙寺跡・乙護法堂へ。

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160226-6.jpg茶の湯の稽古をする者としては、禅と共に茶が中国よりもたらされ、ここから全てが始まったのだな…と、辿り着いた時の感慨もひとしおでした。

160226-7.jpg稽古場での稽古も大切ですし、このように、茶に縁のある大切な地を実際に訪れて、禅宗とは切っても切れない歴史を持つ“茶の湯の歴史”が、自身の内に流れ込んでくるような体験、体感も大切にしたいと思っています。


栄西禅師につきましては、研究所から『栄西-千光祖師の生涯-』ならびに『栄西の道』を刊行させていただいております。さらに、別冊太陽も!是非お手にとってご覧ください。

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今週の花



160225-1.jpg研究所には、本格的に春がやってくる前、「足音が聞こえてきているな……」という頃の花たちが勢揃いです。
玄関は辛夷の枝もの、椿に山茱萸。

160225-2.jpg八重の椿も良いですね。
一昨日は満月でした。ちょうどこの徳利(一輪挿しに使っています)は満月に雲がかかったかののごとく釉薬が垂れているのですが、まさにこのような雲隠れにし月で、それは幻想的で美しい満月夜でした。

160225-3.jpgいただいてよし、飾ってよしの蕗の薹。花部分をちぎって、お味噌汁に散らすと、いっぺんに春の香り。身体も毒出しの為の苦みを喜びます。

160225-4.jpg研究所の花だよりでした。


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今年は秋に東京国際ブックフェア開催

IMAG3216.jpgまだまだ先の話ではありますが、毎年開催されて今年で第23回を迎える、「東京国際ブックフェア」。今年は出展するべく、その開催説明会に足を運んできました。

禅文化研究所も過去に3度、この本の見本市とも呼べる東京国際ブックフェアに出展しました。
以前のブログ禅に記事を載せています。

2010.7.8 東京国際ブックフェア 本日より開催
2010.7.16 第17回 東京国際ブックフェアを終えて
2013.7.9 「朝鮮通信使」絵図 -東京国際ブックフェア2013にて-

など。2008~2010年の3年間連続出展しました。

近年は諸事情により出展を見合わせていたのですが、今年、ブックフェア事務局からの案内に、開催方針を一新し、「読者のためのブックフェア」の開催とし、「本好きの方々に喜んでいただく場」「読書に馴染んでいない方々が、本を読むきっかけとなる場」になるようにしたいということが記してありまして、弊所も、そういうことであるならばと、出展しようではないかということにいたしました。

特に今年は、開催時期が秋の9月23日~25日の3日間となり、土日も含むことから、多くの一般来場者が見込めるということと、ちょうどこの直後にあたる10月18日~11月27日に東京国立博物館にて遠諱記念特別展「禅 -心をかたちに-」が開催されるため、このアピールにも最適だと考えたためです。

詳細はこれから考えていきますが、禅文化研究所の刊行物を可能な限り展示即売いたしますので、どうぞ、今から楽しみにしておいて頂ければ幸いです。

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臨済禅師・白隠禅師 遠諱大法要 一般参拝のご案内

臨済宗黄檗宗各派ならびに遠諱事務局・実行委員会、禅文化研究所が中心となり、臨済禅師1150年・白隠禅師250年の遠諱事業を遂行しております。

160223.jpg本年は、臨済宗の宗祖・臨済禅師がお亡くなりになられて1150年、来年は日本における臨済宗中興の祖、白隠禅師がお亡くなりになられて250年の節目の年となります。

臨済宗にとって大切なお二人の祖師方の合同法要を、3月9日・10日と、東福寺にて厳修します

一般参拝は、10日のみ、受け付けております。
人数の都合上、堂内にお入りいただく事がかなわず誠に残念ではありますが、法堂前にテントを設営し、焼香台を設けさせていただきますので、お参りいただければ幸甚に存じます。


【詳細】

日時 : 2016年3月10日 11時~12時

会場 : 大本山東福寺法堂(京都市東山区本町15丁目)

受付 : 一般受付

*お車でのご来場はお控えください。



遠諱事業ページはこちらをご覧ください。
何卒宜しくお願い申し上げます。

*画・『新装版 雲水日記-絵で見る禅の修行生活-より


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『如々来 止止庵、梶谷宗忍禅師の足跡』

相国僧堂に通う居士であった、大学時代のゼミの教授宅へ。

学生時代には、その当時のお話などはほとんど拝聴する機会も無く(キリスト教系の学校でした)、巡り巡って、不思議な御縁で私が禅文化研究所に勤めるようになってから、梶谷宗忍老師(相国寺派第6代管長)のお話、僧堂での出来事などを話してくださるようになりました。

「老師の前へゆくと、全てを見透かされているようで、もはや何も話せず、ただただお天気の話や雑談くらいしかできませんでした」。

とはいえ、そんな若かりし頃の一時期が、今の先生を先生たらしめているのだな……とも思うのです。
話はできずとも(ほんとうは色々となさっていたのかもしれませんが)、老師から受け取られたものを、確かに私に伝えてくださっています。

160222-1.jpg卒業後も毎月のようにゼミを開催させていただき、何度もお宅にお邪魔しているのに、先日初めて、『如々来 止止庵、梶谷宗忍禅師の足跡』という、老師のご生涯を描いたビデオを見せてくださいました。
縁側でお茶を点てる老師と、それをいただこうとされている若かりし頃の我が師。嬉しくてテレビ画面を写真に写してしまいました…。

160222-2.jpg一般企業に勤めていた私が、「会社をやめて、先生のお若い頃のように、京都でお坊さんのところへ通ったりお話したりするような生活がしたい」と相談したのを、一番に応援してくれたおかげで、今の私があります。
大学卒業後に、まさか禅の話や僧堂の話をしようとは、師も私も、想像だにしなかった事です。

時代を感じさせる映像を拝見しながら、改めて御縁の不思議、妙を感じるのでした。

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南禅寺派 臨済録提唱 閉講式



160119-1.jpg臨済禅師の1150年遠諱(本年は、お亡くなりになられて1150年の節目の年です)を記念して開催されていました、大本山南禅寺さんでの管長猊下による臨済録提唱。

2月14日をもち、全10回の提唱が終了しました。ご報告を臨黄ネットの遠諱ページに掲載しましたので、ご高覧いただけましたら幸いです。

こちらからどうぞ

160119-2.jpg

日曜日開催という事もあり、私自身プライベートな用事が無い時にお邪魔するのみとなってしまったのが今となっては悔やまれますが、それでも、幾度かお邪魔し、感じた事、受け取らせていただいたものを今後の人生に活かしてゆければと思うのです。

以前もブログで書かせていただきましたが、堀内宗心宗匠が仰ったように、わかったようなわからないような、そんな世界であっても、修行を続けられている老師方からは、目に見えずとも何かしらこちらに放射状のように降り注ぐものがあるのだと思うのです。

ただしそれは、受け取るこちら側が受け取りたい、何かを感じたい、という意識があってこそのことかもしれません。

160219-3.jpg遠諱を記念して、このように一般の方もおこしいただける提唱や様々な企画(4月16日には東京にて記念講演会を予定。またお知らせします)、禅の展覧会など開催させていただきますが、皆様にも、何かを知りたい、学びたい、苦しい事がある、解決はどこにあるのか、など、好奇心や疑問を携えてお越し頂きたいです。

その方がきっと、より多くの気づきや学びがあると思うのです。
こちら側も、どうすれば皆様に伝わるものか、日々考え、研鑚しております。

お時間ありましたらイベントや展覧会など、是非ともお運びくださいませ。

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方広寺宝物調査

おはようございます。
先週のことになりますが、臨済宗の14ある大本山の一つ、静岡の方広寺さんへ宝物調査にてお邪魔しました。

160218-1.jpg花園大学歴史博物館館長・福島恒徳先生と研究員の方2名、禅文化研究所より2名の調査隊、おなじみのチームです。

160218-2.jpg今回はほぼ、軸物の調査ならびに撮影でしたが、私自身は殊の外、お軸の表具(の裂地)に関心があります。
「本紙より表具かいっ!」という関西流のつっこみがいつもどこかから入りますが、いえもちろん本紙がメインです。ですが、そのメインたる本紙がどれだけ所有者に愛され、大切にされたかは表具に出ます。

もちろん、廃仏毀釈の時代や戦時中など、お金や物が無かった時代に、良い職人に良い裂地を使って表具をしてもらうのは不可能な事があったやもしれませんし、所有者のセンスにも左右されます。

ですが、ほぼ間違い無く、本紙が素晴らしいものであれば、表具もそれに添った物が多いのです。
本紙を見ずとも、軸物を掛ける途中で見えてくる表具で、「ハッ、もしやこれは本紙もすごい物かもしれない」とわかってしまうわけなのです。

また、そんな良い裂地を使う職人は、本紙をひき立てる為の裂地の合わせ方や色のセンスも抜群、まるでピシッとした1枚の布であるかのごとく表具を仕立てます。「あぁ、良い職人さんだなぁ……」と、そういう仕事(職人の技と心)を目にするのは、たまらないものがあります。

160218-4.jpg庶務部長さんが生けられた葉蘭のお生花。素敵でした


と、私の趣味趣向の話に走ってしまいましたが、このように有難い調査を重ね、その成果を、宝物調査に入らせていただいたご寺院のご協力を得て、花園大学歴史博物館にて、展覧会という形で発表させていただいております。
昨年秋には、「武蔵野の禅刹 平林寺 ―伝来の書画名宝展―」を開催。

次回の展覧会は、昨年調査に入らせていただきました、東京の麟祥院さん(春日局縁の寺)の宝物展を予定しております。展覧会にあわせて、講演会も開催しますので是非ご参集くださいませ。詳しくはまたご案内させていただきます。


160218-3.jpgさて、今回の方広寺さんの調査ですが、宿坊に泊めさせていただき、夜は精進料理をいただきました。朝は境内をお散歩。なんとも気持ちの良いものでした。
一般の方もご宿泊(一泊禅寺体験)可能、精進料理もいただけますので、是非静岡へお参りの際は命の洗濯を!

 

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高台寺 ―和歌山県田辺市―

少し前のブログにて、円覚寺派管長・横田南嶺老師による山本玄峰老師についてのご講演を紹介させていただきました。>こちら

160217-0.jpgその際、JR紀伊田辺駅の「和歌山の偉人パネル」に山本玄峰老師の他に、植芝盛平先生、南方熊楠先生のパネルもありました事をお伝えしましたが……。

お2人のお墓がある、和歌山県田辺市の高台寺を参拝してみました。弘法大師開創と伝わる真言宗の立派なお寺さんです。

160217-1.jpg私自身は田辺で生まれ育ったわけではないのですが、父祖の地の偉人という事で、幼い頃から度々このお2人の話は父や兄から聞いたり、その後出会った大学ゼミの教授が合気道をなさっている事もあって、植芝先生についてのお話も拝聴しました。

160217-2.jpg南方熊楠先生の南方曼荼羅を兄に見せられた時には、なんだかわけがわからないなりにも、「これはすごい」と、本を読んでみたりしたものです。

いずれの偉人も、ひたむきに我が道を突き進み、突き抜けた方達。

お釈迦様はお生まれになられた時には「天上天下唯我独尊」、涅槃の折には、「自らをともしびとせよ」と仰いましたが、そのように生きた先人から少しでも学ぶ所あれば……と、凡夫が夢を見るのでした。

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大分サンガセミナー ―涅槃図お絵解き講座―

昨日の我が上司が、ご自坊の涅槃会にも少し触れられていましたが、今年度は妙心寺微笑殿をお借りしての涅槃図お絵解き講座、さらに、禅文化研究所理事長・佐々木道一老師がご住職でもあらせられる、大分は萬壽僧堂でも、涅槃図お絵解き講座を開催させていただきました。


160216-1.jpg講師の先生はもちろん、岡澤恭子先生。
お人柄の素晴らしさに、ご一緒させていただき胸あたたまるものがあるのですが、お釈迦様のご生誕から涅槃についてを語られる際の、「まさにお絵解きこそ先生の人生の使命に違いない……」とはっきりこちらもわかるような見事なお話ぶりに、すっかり大ファンになっている私です。何度でも拝聴したいのです(私は毎度同じところで感極まって涙します)。

160216-2b.jpgさて、萬壽僧堂に到着しますと、萬壽僧堂出身の和尚様方が既に全ての準備を調えておいてくださいました。なんと、萬壽寺蔵を含め、近隣のお寺の立派な涅槃図が方丈に3幅も!!!!!圧巻です。
どの涅槃図もとても素晴らしいのですが、やはりそれぞれに特長があり、そんなところも先生にお話いただき、皆様興味津々のご様子でした。

160216-2a.jpg既に京都で2回、そして大分で開催させていただきましたが、またどちらかの禅宗寺院にて、開催させていただければと存じます。
その際には皆様是非ご参集くださいませ。絵の細部にいたるまで、様々な意味や思い、願いが込められた涅槃図の事、お知りいただければと存じます。

160216-3.jpg

臨黄ネットのWEB版絵解き涅槃図もどうぞご覧ください。

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ねはんさん

今日は仏涅槃会の正当ですね。先般2月4日のサンガセミナーでは、大本山妙心寺に伝わる涅槃図をつかって、そして翌日には大分万寿寺で近隣のお寺所蔵のものも含めて三幅の涅槃図を並べて、岡澤恭子さん(長野市長谷寺ご寺庭)に、涅槃図お絵解き講座をお願いしました。
私の自坊では、檀家さん達は涅槃会のことを「ねはんさん」と親しく呼ばれていますが、去る13日に涅槃会を勤修しました。
自坊に伝わる涅槃図は江戸時代のもので、およそ250年くらい経っていると思われますが、彩色は鮮やかで、じつにたくさんの人や動物たちが描かれています。

_MG_0939.JPG岡澤先生のお絵解きを何度も聞いて、受け売りまでできればいいですが、それほどの力量がないので、いくつか参考にさせていただいて、絵の解説をさせていただくのが、自坊の近年の涅槃会です。
それでも、絵に興味をもっていただいたり、お釈迦様の生涯に興味をもっていただいたりする檀家さんもおられて幸いに思っています。
ブログ読者の皆さんは、どこかの涅槃会に参詣されたでしょうか。機会があれば是非、涅槃図をじっくりとご覧になるとよろしいですよ。

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天龍寺・臨川寺特別参拝につきまして

おはようございます。

160212.jpg多くの方からご希望ならびにキャンセル待ちいただいております、【臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱記念参拝
―アメリカ人禅僧 トーマス・カーシュナー師とめぐる 天龍寺・臨川寺】
ですが、5月4日のみ、あと5名様お入りいただける事となりました。
つきましては、こちらからお申込みをお願い申し上げます。

その他のお日にちにつきましては、定員に達しておりまして、キャンセル待ちもいただいており、キャンセル待ちのご希望も中止させていただいております。

誠に恐れ入りますが、何卒ご理解いただきますよう宜しくお願い申し上げます。

なお、ご予約いただいております方へのご案内の発送は、2月中を予定しております。いましばらくお待ちくださいませ。

 

 

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つらつら椿

160210.jpg丹精込めて庭先で育てられた様々な種類の椿にも、「なんとこれは…」と感動するものですが、やはり万葉集の句を思い出すのは、誰に観られるともなく山に人知れず凜と咲く野生的な椿でしょうか。


巨勢山(こせやま)の つらつら椿 つらつらに 見つつ思(しの)はな 巨勢の春野を

 

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サンガセミナー ―引導法語講座・涅槃図お絵解き講座―

京都にて、2月4日木曜日、今年度最後となりますサンガセミナー

まずは午前中、研究所の能仁晃道を講師に引導法語講座を開催させていただきました。

この度の講座では、漢文の基本である返り点などの文法についてや、漢詩の基本中の基本である押韻についても丁寧に説明されました。

160209-2.jpgさらに、通韻という方法があることも解説され、受講者の中からはその点についてのご質問も活発になされました。
多くの方は、弊所発刊の『引導法語大全』をお持ちいただいているようでした。
来年度は戒名の作り方など、より実践的なものにしようかという計画も出ております。

160209-3.jpgそして午後からのこの写真で、今回、100畳以上もある微妙殿をお借りしたワケをおわかりいただけるかと…。
涅槃会の際に禅堂に掛けられ、法要が行なわれるわけでありますが、その際にしかお目見えしない、妙心寺蔵の“涅槃図”をお借りする事ができたからなのでした。
巨大な涅槃図…もちろん、大本山妙心寺といえども、掛かる床がありません。そこで、微妙殿の天井近くから…。
どのくらいの大きさかご想像いただけますか?

講師の岡澤恭子先生は、この涅槃図をご覧になられ、「何よりも品格をまず感じます…」と仰いました。
さもありなん……。このように(2月15日をご覧ください・下記写真は妙心寺ブログより)、毎年毎年繰り返し祈りの場で掛けられてきたお軸です。何かこう、宿るものがあるのでしょう。

160209-4.jpg今回は、将来お坊さんになるであろう花園禅塾の皆さん(大学生ですが、寄宿舎にて共同生活を行なわれています)にもおこしいただけました。
将来、ご自身のお寺の涅槃図を前に、檀家さんや信者さんにお釈迦様の涅槃を語る際、この日の事を思い出してくださると嬉しいですね。

私自身は二度目のお絵解き拝聴で、昨年の感動にプラスしまして、知識面でもさらに深める事ができたように思います。
そしてやはり、お釈迦様が涅槃に入られる(お亡くなりになる)時のアーナンダ(お釈迦様の身の回りのお世話をしていた弟子です)の悲痛な叫びに涙し、ご子息ラーフラ(お釈迦様はご結婚され、ご子息が一人いらっしゃいました。後に出家しお釈迦様の弟子でありました)を呼び寄せ、話しかける父子の姿に、涙するのでした。

またどちらかで、岡澤先生におこしいただき、涅槃図お絵解き講座の機会を設ける事ができれば…と思っております。

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茶の湯の菓子 ―インド―

茶の湯の稽古を続けていますと、世界中どこへ旅しても、茶の湯に使えそうな道具、菓子を探すようになります。

インドの甘い物といえば、甘すぎるという情報ばかりが伝わるせいか(いや確かに甘いのですが…)、旅行する日本人もどこか敬遠しがちのように感じています。

ですが、インドという国は、乳製品がそれはそれは豊富で、バターやチーズ、ヨーグルトなどにも様々な種類があり、中でもミルクを使った菓子の種類はなかなか把握できないほどです。

160209-1.jpgその中の一つ、インドを代表する菓子、バルフィをお茶菓子にと求めて来ました。

基本、ミルクと砂糖でできており、ピスタチオなどのナッツ類や、カルダモンで香りをつけたりするお菓子で、お店によってそのアレンジは様々です。そして必ず上には銀箔が。ちょうど抹茶に合う甘さなのです。

160209.jpg稽古場に持参しますと、「初釜で皆さんに召し上がっていただきましょうよ」と師匠からの嬉しい提案。
インドのアンティークの盆を持参し、社中の皆さんにお出しすると、皆さんお気に召したようでした。
*ピシッと並べたかったのですが、一つ一つ微妙に形や大きさが違うので並ばない…のも、インドらしくてご愛敬。

どうか皆様も仏跡参拝などでインドへゆかれましたら、茶籠など持参し、インドの甘いお菓子と朝の一服を楽しんでみてください。
喧噪のインドの中でお抹茶をいただくと、すーっと心身共に落ち着いて、まるでその空間をいっとき茶室のように感じるものです。

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「磨いただけの光あり~玄峰老師の教えに学ぶ」
円覚寺派管長・横田南嶺老師ご講演録

お正月に、祖父が住職をしておりましたお寺さんにお参りに伺わせていただきましたが、その際に利用しましたJR紀伊田辺駅。

和歌山の偉人を紹介するパネルができており、私の大好きな方々が。素晴らしい!
植芝盛平先生(合気道の創始者)に、南方熊楠そして臨済宗を代表する名僧・山本玄峰老師。
思わず嬉しくて写真を撮らせていただきました。


160205.jpg山本玄峰老師の事につきましては、私がご説明するよりも、是非とも、同じ和歌山(新宮)生まれでいらっしゃる円覚寺管長・横田南嶺老師が、熊野本宮館にてご講演された際の記録を掲載させていただきたいと思います。

玄峰老師の御生涯から出家の因縁、南嶺老師とのふしぎな繋がり・縁の妙。
そして、私からしますと老師がたというのは、厳しい修行に耐えてこられ、死ぬまで修行を続けられつつ雲水を育て、衆生を救ってくださるスーパーマンのような方々ですので、しばし忘れがちとなるのですが、どなたも等しく「母の子」であるという事。
特にこの“母”に対する思いのお話は、涙を禁じ得ませんでした。
是非ご高覧くださいませ。
 
「磨いただけの光あり~玄峰老師の教えに学ぶ」 円覚寺派管長・横田南嶺老師ご講演録 (熊野新聞 2016.01.01)






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BUDDHA KUSA GRASS TEMPLE ―インド・ブッダガヤ―



160204-1.jpgブッダガヤを訪れた際、だいたいのお釈迦様ゆかりの場所はもちろん伝記などを読んで存じている場所で、「ふむふむ、ここにほんとうにお釈迦様がおられたのだなぁ…」と感激しつつ巡っていました。

スジャータ村からの帰り、運転手が、「KUSAテンプルにはゆくか?」と……。何の事かと思いましたがとりあえず訪ねてみますと、「BUDDHA KUSA GRASS TEMPLE」が。

看板によると、一人のバラモン(階級の男)が現われ、お釈迦様に8束の草を献上した場所なのだとか。その草を敷いて坐禅を組まれ、その後お釈迦様は悟られた……と書かれていました。

ただ、この場所から、お釈迦様が悟りを得られた菩提樹(現在のマハーボディー寺院)までは、尼連禅河を越えて、随分距離があるように思われますので、「え、草をお持ちになって歩いてゆかれたの?それとも誰かが運んだ?」などと疑問は残るのですが、それはまぁ置いておいて……(詳しくご存知の方いらっしゃいましたら、是非おしえてくださいませ)。

160204-2.jpgさてこのKUSAですが、「お釈迦様は良い香りのする草を坐禅に使用された」などと書かれているのを帰国後に読んだ事もあり、とても興味深く、どのような物なのだろう?!と気になり始め、ネットで調べてみましたが、それではわかりませんでした。

そこで、ブッダガヤで貧困地域(ブッダガヤのあるビハール州はインドでも最貧地域です)に生きる女性たちを支援する仕事(インドの素敵な布を使ったちくちく仕事です、是非ご覧ください*nimai-nitai)をしている友人に調べてもらいましたところ、下記のような返事と写真が!

 

「kusaは、ビハールのこの地域の人が呼ぶ草の名前で、kasilというのが
一般的な?名前だそうで、インドではだいたいどの地域にもはえているものだそうです。

わたしもこの草はグジャラートでも草原にたくさんはえてるのみましたよ。
ビハールはそこらじゅうにあります。とくに匂いはないので、匂いのためではないとおもいます。

亡くなった人を火葬するときと、亡くなったあとの10日後にpujaをするときに使われるそうです。
pujaのときにもつかわれることと、とてもかたい草なので、瞑想の修行のときには
あっていたのかも...と勝手に想像しました」。

*pujaとは、神への礼拝、神に供物を捧げる儀式、お祈りなど全般を指す言葉で、日本の護摩炊きの起源ともいわれています。
*ちなみに、友人はその後も色んな人にkusaについてを尋ねてくれていますが、この草だと言う人もいれば、違う草だと言う人もいるそうです。インドで質問をするとそういう事もままあります…。


160204-3.jpg

なるほど…。
インドではどこにでも宗教・信仰が溢れていますから、それに使う草は、どこにでも無いといけないのかもしれません。

私が愛読しているインドの聖典『バガヴァット・ギーター』にも、「クシャ草を敷いて瞑想をしなさい」とありました。

今度インドへ趣き、クシャ草をみつけたら、刈ってみて、クッションにして坐ってみたいものです(かたい草だと友人が言っていましたので、干してから使うのかも知れませんが……)。
とりとめもない、個人的な興味の話になってしまいましたが、お付合い有難うございました。
もしもkusa草について何かご存知の方がいらっしゃいましたら、是非ご教授くださいませ。

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節分 ―鬼は内―



160203.jpg本日は節分、そしていよいよ明日は立春を迎えますね。

この冬から春へと季節が移り変わる節分、立春を境に、新たな年の目標を立てたり、区切りとして様々な決断をされる方も多くいらっしゃるかと存じます。
どうかその目標や決断が、良きようにはたらきますように。

「鬼は内、福は外!!!!!」、林恵鏡老師の、まるで童子のような無邪気なお姿を想像するだに楽しく、そして僧堂の先輩のお言葉がまた胸に響きます。
臨黄ネットより、私の大好きな法話のご紹介です。是非ご高覧ください。

*写真はふきのとう。ふき味噌も、てんぷらも良いですが、お味噌汁に花をちぎってぱらぱら…と。是非お試しください。

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しあわせのど真ん中

160202.jpgなかなかにままならぬ、大変な身の上を話す友人にひとこと。

「しあわせのど真ん中です」。

 

なんだか私までハッとし、スッキリ清々しく有難いと思うのでした。
これだから「やはり禅僧が好きだなぁ……」といつも思ってしまいます。

 

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今週の花 梅

 

160201.jpgおはようございます。

さて、2月のはじまりです。
暖冬で年末から咲いている梅もみかけていましたが、いよいよ梅の季節といった感あり。
内側にめいっぱいの力を秘めつつほころびはじめた蕾を観ると、たまらない気持ちになります。

何やら今年の干支のお猿さんが仰っています。

160201-1.jpg猿公還有佛性也無

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