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白隠禅師ご誕生の日

毎年お知らせしているような気が致しますが、本日12月25日は、臨済宗中興の祖、白隠慧鶴禅師ご誕生の記念日です。

11歳の頃、母親に連れられて参拝した寺で地獄絵図をご覧になられ、その恐怖心が後の出家へと繋がったといいます。
「死ぬと一体全体人間とはどうなるのか…」という疑問や恐怖が出家の契機となるお話はよく拝聴します。
その疑問や恐怖心などが、修行によりどう変容するのか、いえ、そのものが変容するのではなく、自身が変容するのでしょうが、そのあたり、とても興味深いところです。


151225a.jpg白隠禅師画像 龍澤寺蔵 *遠諱ポスターより

さて本日はご誕生を記念しまして、臨黄ネット(臨済宗黄檗宗公式サイト)にあります、白隠さんに関する法話をご紹介致しましょう。

「心の草取り」静岡県 ・実相寺住職  巨島信慶

平成29年には白隠禅師の250年遠諱(お亡くなりになられてから250年の節目)を控えております関係で、臨黄ネットの法話では、白隠さん関連の法話も度々お目見えする事と存じます。
さらに、来年再来年と、白隠さん関連のご案内も増えてゆくかと存じますが、どうぞよろしくお願い致します。

151225-1.jpg禅文化研究所は、本日をもちまして本年の業務を終了させていただきます。
*午前中までにご注文いただきました書籍などは、本日発送させていただきます。

明日は大掃除。職員の半分が僧侶という環境は、その昔企業にも勤めた私にとって、なんと掃除が楽なのだろうといつも感慨深いものです。いえ、何もさぼるわけではないのですが、僧堂を経験している僧侶がいるという事は、掃除のプロがいると言っても過言ではないわけで、なんとも頼りになるものです。

皆様も住まいを清め、心身身辺すっきりとされて、歳神様をお迎えくださいませ。

本年もお世話になり、誠に有難うございました。
来たる年も、何卒宜しくお願い申し上げます。

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50回記念 京の冬の旅 ごあんない

京都市観光局さんが主催されている「京の冬の旅」
今回、洛南エリアの東寺さん以外はすべて禅寺!のようです。

151224-1.jpg遠諱記念・春の京都禅寺一斉拝観が待てない方は、まずは冬の京都へどうぞ。

 

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恵みのリース作り 京田辺にて

一ヶ月以上前の話になりますが、研究所でもお花の講座をしていただいている雨宮ゆか先生が来京の折、京田辺の自然の恵みから作る“リース作り”を教えていただきました。

151222-1.jpg先生と京田辺の自然の中を歩き、リースの土台にできる蔦や枝、素材にする草花など、色々と学びます。もうそこはリース作り素材の宝庫!

151222-2.jpg山を歩いて花を採り、生ける事に関しては、かねてより福森雅武先生とご一緒させていただき、花には目がゆくのですが、なかなかリースの素材はわからぬもので、目から鱗の学びの時間。自然の中を歩いていると、身体も心も生き生きと、あっという間の豊かなひとときでした。

151222-3.jpg採ってきた素材を、この日お世話になった友人宅の床にひろげて…。こうやって眺めるだけで満足です。いえいえリースを作らなくてはならないのですが…。

自身で色々素材を集めて来ても良いという事でしたので、私は大好きな月桃の実やらユーカリの実を持参していました。そしてできあがったのが下のリース。

151222-4.jpg家に帰って飾って眺めていますと、何かがおかしい…不協和音のよう。はたと気がつきました。そういえば、先生は自宅の周りにあるものでリース作りに使えそうなものを持ってきてもらっても良いですよ!と仰っていたのでした。月桃は沖縄の…ユーカリは海外ですよね…。私としたことが、何をしているのだろう?!と思ったものでした。

そして、京田辺の素材だけで作り直したのがこちら…。

151222-5.jpgほっ…。違和感がなくなりました。先生にこの事をお話すると、

月桃は強いのですよね。そうでないと、生き残れない環境のところに生えるものだからだと思います。京田辺は地味豊かで優しい土地なのだと思うのです」。

というお返事が。
私が気づくまで、「おかしいよ」などと言わずにいてくださった事に感謝です。あれこれと言う事は、相手の気づきを奪うのだなという事も教えていただきました。

この地味豊かで優しい京田辺の土地、自然。改めて、以前ご紹介しました一休寺さんの借景が失われようとしている事に心痛みました。
私がこのリース作りを教えていただいた次の日には、友人宅(とても美味しく、素敵なレストランをされています)でたくさんの方を集めてのリース作りの会が開かれました。どうぞ京田辺の自然をこちらでお楽しみください。


昨年も、「毎月でも習いたい!」と仰ってくださった参加者の方がいらっしゃいましたが、また来年度も研究所のサンガセミナーで、雨宮先生にお花の講座をしていただく予定ですので、お楽しみに!

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臨済禅師1150年遠諱記念『臨済録』国際学会について

臨済宗宗祖、臨済禅師の遠諱にあわせて、内外の研究者ならびに実践者を招待し、基調講演、研究発表と討論、交流などを展開する国際学会を開催致します。

151221.jpg詳細が決定致しましたので、こちらにてご報告させていただいております。どうぞご覧くださいませ。

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今週の花

深紅の薔薇が咲きました。
あまりに美しいので、無文老師に御供えをしたくなってしまいました。

121118.jpg

トゲのある花を供えてはいけない? 禅僧に派手な洋花?しかも薔薇!?……と、色々な思いが湧いてきましたが、御供えしてみるとそんな思いはどこへやら。さすが無文老師、薔薇もよくお似合いです。そんな分別なんぞいらんと言われたようで……。
勝手にこちらがあれこれ考えていた事が吹き飛ぶ朝なのでした。

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涅槃図お絵解き講座 於:萬壽寺本堂 のごあんない

来年の2月5日(金)に、禅文化研究所の理事長でもある佐々木道一老師が住職をなさっている大分の僧堂、萬壽寺さんにて、サンガセミナー大分「涅槃図お絵解き講座」を開催させていただきます。

151217.jpg昨年京都で開催したお絵解き講座の様子

より一層禅宗寺院に親しんでいただきたい、仏教の事を知っていただきたいとの理事長のお考えから、先着200名様をご招待させていただきます。
申込み不要、13時半より受付開始させていただきます。

雲水たちが修行する道場である事から普段は拝観も不可能な寺院ですが、臨済宗の修行道場の空気を感じていただき、また、萬壽寺蔵の涅槃図を前に、お釈迦様のご生涯を皆で追ってみませんか?

151217-1.jpg紅葉の萬壽寺

お絵解きとは不思議なもので、前にするのは涅槃図のみであるにも関わらず、お話を聴いていると、ヒマラヤ山脈がみえてきたり、まさに自身がお釈迦様について修行していた一人、もしくはお釈迦様を慕い、その時代を生きていた者のように、お釈迦様を身近に感じてくるのです。
是非とも皆様にもこのご体験を!と願っています。

お目にかかれますのを心待ちにしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

詳しくはこちらからどうぞ。

 

京都では、全日の2月4日に、妙心寺様の涅槃図(巨大です!)をお借りして、妙心寺微妙殿にて「涅槃図お絵解き講座」を開催します。こちらは無料講座ではありませんが、お近くの方にオススメします。
是非お集まりくださいませ。 
お申込みははこちらからどうぞ。

 

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臨済録提唱 ―南禅寺派管長 於:南禅院―

臨済宗大本山南禅寺の南禅院にて、月に一度開催されております管長猊下による、臨済録提唱。
12月は13日(日)の開催でした。

151215-1.jpg私のような在家の凡人には、“提唱”となるとなかなかに難しいわけでありますが、今は亡き堀内宗心宗匠が、弊所から発刊させていただきました『歩々清風』の中で、ご自身がお若い頃に建仁僧堂に参禅なさってらした頃の記述があり、その箇所を自然と思い出すわけなのです。

提唱はわかったようでもあり、わからぬところもあり、ただ高座の上の老大師の頭(おつむ)を拝していると心身清々として、何か益があると感じていました。そればかりでなく、密参を済ませて茶礼、身近かに老大師のおそばにいると、なさること、話されること、その中から何か自然と身につけることができるような気がして、割合せっせと僧堂に通い続けていました。 (『歩々清風』参禅の日々 堀内宗心著より)

151215-2.jpgかねがね、老師方は雲水と同じ質素な日々のお食事のせいか、坐禅(呼吸)のせいか、お肌がツルツルの方が多く、いつもそこに注目してしまうわけなのですが、私の場合、頭(おつむ)を拝するというよりも、お肌を拝しては、なんともさすがであるな…などと不届きな事を考えてみたり、ヨガを始める前は汗の出ない代謝の悪い体質だったのが、冬にコートも着ずに南禅寺まで自転車をこぎ、坐ると汗がぽたぽた落ちるほどで、「これは汗がひいたら風邪をひく」と思ったところで、「そうだ、呼吸するとあたたかくなる!と禅僧たちはいつも言っているな」と思っては丹田を意識し、深い呼吸を心がけ、「ふむ、確かに体があたたかく、冷たい空気が気持ち良い」などと思ってみたり、おおよそ集中しているとは言えぬわけでありますが、それでも、あの凜とした空気の中、老師を感じ、自身の事に思いを馳せる時間は、宗匠が感じていた事と同じであろうかと思うのです。
*お若い頃とはいえ、宗心宗匠のご理解の域や深さと同じにしてはいけないのですが。

151215-3.jpg前置きが長すぎるのですが(これからです皆さま)、今回は臨済の四料揀(しりょうけん)より、「奪人不奪境、、云々」(だつにんふだっきょう、で検索すると色々解釈が出て参りますし、数々出版されている『臨済録』を読み比べてみても面白いかと存じます)。

師、晩参、衆に示して云く、有る時は奪人不奪境。
有る時は奪境不奪人。有る時は人境倶奪。有る時は人境倶不奪。

人は主観、境は客観。時に、主観を否定して客観を重視し、時に、客観を重視して主観を否定する。
また時には、主観も客観も否定し、また時に、主観も客観も肯定する。その先に現われる世界は…。


最後の最後まで拝聴していると、なんでしょう、十牛図の10、入驗ス垂手の画が頭に浮かびました。語録の世界も、その時その時、こちらの状態によって訴えかけてくるものが違うのでしょうし、同じ箇所を繰り返し学ぶものなのであろうなと思いました。
次回は1月24日(日)。南禅院にて9時~です。どの季節も良いのですが、冬の禅寺が、やはりそれらしいなと私は思います。どうぞご参集を!

*明日のブログはお休みさせていただきます。

 

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琵琶湖岸

 


151214-1.jpg京都から電車で小一時間でこの景色。琵琶湖岸です。
この風景を見ていたら、自然と坐りたくなります。

151214-2.jpg古より、山に籠もって行をされる行者、禅宗でいうと夢窓国師が修行僧の為にあのような素晴らしい庭を、必要性があってこそ造られた事など、わかるような気がします。
ここからはじめて、どんな状況でも周りの状況に左右されず心が落ち着いているところ…を目指すのですね。

151214-3.jpg

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春の京都禅寺一斉拝観 〈2016年開催〉

平成28年春、臨済宗を開かれた臨済義玄禅師の1150年遠諱、ならびに日本臨済宗中興祖である白隠慧鶴禅師の250年遠諱を記念して「春の京都禅寺一斉拝観」を実施すべく準備にとりかかっております(遠諱の詳細はこちら)。

渾身の作。と申しましょうか、我が上司(お坊さんです)が作りました公式サイトはこちら


151211-1.jpg遠諱の一事業として京都国立博物館で開催される特別展「禅 ―心をかたちに―」(平成28年4月12日~5月22日)の展観期間にあわせて、京都市内を中心に、数多い本山をはじめとした禅宗寺院(約60ヶ寺)で通常非公開の寺院や寺宝の特別公開、坐禅会や写経体験・法話など、期間中に特別な催しが一挙に開催されます。
また通常公開寺院においても、期間中スタンプラリーなどを実施予定です。スタンプを集めて応募すると、抽選でプレゼントももらえます。

期間:平成4月12日(火)~5月22日(日)

 

「そうだ 京都、行こう」を、来年の春は「そうだ 京都の禅寺へ行こう!」ということで、宜しくお願い致します。

私自身、研究所でお仕事させていただいている御縁から、様々な禅寺に出入りします。
あの無駄の無い伽藍や庭の美しさ、隅々まで掃除が行き届き、空気まで引き締まっているような空間は、ほんとうに何度お邪魔したお寺さんでも、毎回毎回感動するものです。

庭をテーマに、エリア別に、坐禅会や写経会や茶会に参加。皆さまそれぞれに禅寺との出会い方があるかと存じます。そんな出会いが、自己を知る機縁となりますように。

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禅語カレンダーのご準備を!

毎日、ネットショップにてカレンダーをご注文くださる皆さま方のご様子を確認しては、「なんともご準備の良い皆さま方だなぁ…」と感心しつつ、「用意しなきゃ!」と思いつつ忘れていらっしゃる皆さまに、老婆心ながら是非ともご案内をせねばと思いました。

年あらたまる時、真新しいカレンダーが掛かっているのはなんとも気持ちの良い事と存じます。

151210-1.jpg禅文化研究所オリジナルカレンダー(税込み¥580)
来年は霊源慧桃(れいげんえとう)禅師画賛。白隠禅師のお弟子さんとあって、どこか師匠の白隠さんと似ている画も。画も字も、師匠と弟子は似てくるのでしょうか。古今東西様々な禅僧の軸を拝見していますと、よくある事と存じます。

151210-2.jpg
私も大好きな蛤観音。特にお師匠様(白隠禅師)の画と似ているものの一つ。

その他、各派管長、老師方の墨跡がカレンダーになった、千真工芸さんのカレンダーや、干支色紙もお取り扱いさせていただいております。

お求めはこちらから。
ご注文お待ち申し上げております。

*写真1
【6月の画賛】
大津ならやに来たりゃこそ ふみもなろたよ唐うすを
奉公は 大津の奈良屋 米問屋 唐臼踏んで 読み書き習た
*六祖唐臼図(留守模様)。唐臼は六祖碓房修行のシンボル。賛は、白隠の「小車の翁」に出るが、もとは曹洞宗の虎蔵主こと大空玄虎(1428~1505)の作という。


*写真2
【3月の画賛】  蛤の身を現わして為に法を説く(観音経のもじり)
それぞれに それぞれ生きる 娑婆世界 三十三身 なおも足りぬか
>蛤観音図。賛は、観音経の三十三身説法「即現仏身而為説法」などのパロディー。

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金閣寺参拝

 

151209-1.jpg「京都は生まれて初めて!」という小学校4年生の娘さんを連れて、友人が長野から来京。
一番行ってみたい所は?!やはり金閣寺(正式名称鹿苑寺。臨済宗大本山相国寺の門外塔頭ですよ皆さま)!

151209-3.jpg瑞々しい感性と共に参拝する金閣寺には、大人には無い発見があったり、「ん?!」と答えにつまるような質問をされてしまったりと、世間の一般常識や型にはまった自分を崩壊させてくれる良い機会、学びの時間となりました。

151209-4.jpg今年は紅葉も遅かった為、12月に入ったというのにちょうど見頃で美しく。意外と子どもよりも楽しんでいる大人たちでありました。

151209-5.jpg千本玉壽軒さんの、その名も“金閣”。なんともかわいらしい鳳凰、借景の山々まで美しく。
金閣寺納豆入りの餡が入った美味なるお菓子。金閣寺売店のみでの販売だそうです。

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12月8日 成道会

 

151208-1.jpgブッダガヤ お釈迦様が悟られた菩提樹の元に世界中から仏教徒が集います

12月8日。成道会(じょうどうえ)。
お釈迦様がお悟りを開かれた日。覚者(ブッダ)となられた日です。
僧堂では、本日をもって臘八大接心を終え、普段どおりの修行に戻ります。

151208-2.jpgマハーボーディー寺院 お釈迦様お悟りの地に建つ寺院


奇なるかな。
奇なるかな。
一切衆生悉く皆如来の智慧と徳相を具有す。
ただ妄想、執着あるを以ってのゆえに証得せず。

「思いがけず素晴らしい事だ。生きとし生けるものは皆な、生き方というものを知っている。ただ人間は自分の心に取り付かれ、この世からの借り物を自分のものだと思い込んでしまうから生き方が分からなくなってしまうのだ」。

「仏教徒の覚悟」福岡県 ・本岳寺住職  松本浩舜師 臨黄ネットより

151208-3.jpgこの夏、初めてブッダガヤを訪れました。今まで色々旅をして世界遺産だの遺跡だのを巡ってきましたが、私の中で他と比べようもなく素晴らしかったのは、大学の卒業旅行で訪れたネパールでのトレッキングで、4200メートルから見た8000メートル級の山々でした。
実際に眺めてこそ、そのものが神と崇められるのがわかったような気がして、あれ以上の感動を今後の旅で得られる事は無いだろうと決めつけていました。


ですが、お釈迦様が悟られた場所では、世界中から集う仏教徒の祈りが捧げられ、あちらこちらで瞑想する人がおり、そのあまりに平和で、静けさが充ち満ちた気というのは、私にたとえようもない心の平穏と静寂をもたらし、8000メートル級の山々(神)を観た時と同じような感動が蘇ってきたのでした。
何ごとも、体験もせず決めつけるというのは浅はかな事だな・・・と思い知らされ、必ずや再訪し、またあの地でしばし坐ってみたいと思っています。

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京都御苑の紅葉

 


151207-1.jpg先週はぐぐっと冷えた日がありましたからでしょうか、いま一つだった紅葉が、加速度的に進んだようでした。
それでもまだ暖かい日が続いております。どうも心身ともに12月という気がしなくて困っている私です。
皆さまはいかがでしょうか。

151207-2.jpg

 

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サンガセミナー 最終講座のごあんない

おはようございます。
本日は、来年2月に開催されるサンガセミナー最終講座のごあんないです。
最終回は特別にお願いしまして、妙心寺さんの微妙殿をお借りしての開催です(その理由は読んでいっていただくとおわかりになります)。

まず1つめは、僧侶向けの講座、【引導法語講座】です。

弊所発行の『引導法語大全』の編集に全面的に関わり、数多くの訓読本を刊行している能仁晃道(禅文化研究所職員)を講師として、禅僧にとって避けて通る事はできない引導法語の作成において、四六駢儷文と平仄をふまえた基本を教わる講座です。

151204-2.jpgそして2つめ、これは是非とも宗派問わず僧侶の方にも、そして一般在家の方にもおこしいただきたい講座、【涅槃図お絵解き講座】です。
お釈迦様の一生、そして最期の時(涅槃に入られるご様子)を、涅槃図という一枚の画を前に、お話いただくお絵解き講座。
*上の写真は昨年の講座。法輪寺(だるま寺)さまで開催させていただいた時のものです。

昨年も開催し、私も臨場感溢れるそのお話にいたく感銘を受けたのでありますが、今年は違うお寺で…ということで、なんと大本山妙心寺所蔵の涅槃図(巨大です!)でお絵解きをさせていただく事となりました。
妙心寺の涅槃会では、仏殿に掛けられ、普段拝する事のできない涅槃図。そんな涅槃図の掛かるお部屋がなかなか無い…ということで、微妙殿での開催となりました。
みなさま是非おでかけくださいますよう、宜しくお願い申し上げます。

お申込みはこちらからどうぞ。

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臘八大接心

ただいま日本の多くの僧堂では、臘八大接心(ろうはつおおぜっしん)のまっただ中です。
*もっと寒い時に…と、1月に大接心をされる僧堂もあり、時期は必ずしも決まっていません。

151203-1.jpgマハーボーディー寺院 インド・ブッダガヤ

これは、お釈迦さまが、苦行では悟りを開く事はできぬと気づかれ、菩提樹の下に坐を組み、12月8日、明けの明星をご覧になられて悟られた事に因んで行われる、禅宗道場ならではの行です。

12月1日から8日の早朝まで、食事にお手洗い、参禅とお勤め以外は、ほぼ坐禅三昧で過ごすという、それはそれは厳しい修行期間なのです。横になって眠る事もしないのだとか。
この期間の私は、寝床に入る時に「あぁ、老師や雲水さん達は横にもならないのだなぁ…」と思い、朝冷たい空気の中眼を覚まし、布団から出たくない気持ちがわき起こってきては、「あぁ、私はぬくぬくと布団の中にいるけれど、僧堂では日の昇る前の一番寒い時にも、坐ってらっしゃるんだなぁ…」と思います。

僧堂で修行する雲水さん達を叱咤激励しつつ、ご自身も行を続けられる接心中の老師のお話が、鎌倉は円覚寺さんの居士林だよりでご覧になれます。
8日の鶏鳴まで、どうか無事修行を終えられますよう祈っています。


151203-2.jpg余談ですが、上写真は、苦行の後スジャータに乳粥を施された後、いよいよお悟り前の坐禅に入られるお釈迦様の前に一人のバラモンが現われ、8束の草をお釈迦様に捧げた地が寺院として祀られている場所です。日本のガイドブックなどには載っておらず、私も運転手が連れて行ってくれて初めて知ったのでした。
お釈迦様ゆかりの場所が多々残る、是非とも再訪したいと願っているブッダガヤの地にあります。

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月釜 於:大徳寺

千利休の月命日の11月28日(土)。大徳寺のいくつかの塔頭にて釜が掛けられますので、久々にでかけてみました。

11月は、炉開きで茶室のしつらえも新たに、火が客の方へと近づき、さらに半年間茶壺でねかせたお茶の口切りがある季節。
茶人の正月とも言われるおめでたい月であります。
道具もどこかしらその喜びを表す物が並び、風炉の季節の軽やかさとはまた違った重厚感があり、「あぁ、いよいよ茶の湯の本格的な季節の訪れだ…」などと思うわけです。

151202-1.jpg本格的も何も、年がら年中稽古もしていますし、日本にはそれぞれに素晴らしい趣きある四季が存在し、その四季とともに育まれた奥深い日本の文化である茶の湯。常に自身と向き合うような道なのでありますが…。


太陽の出ている時間も少なくなってゆき、なんとなく自身の内と向き合うような季節。
さらに炉になりますと、風炉の時とは釜の位置が随分かわり、重心が変化し、自然と丹田に力が宿るような坐り方になるからでしょうか。習い始めてからずっと、一年中、いつも茶の湯が楽しく大好きで仕方がないのですが、炉の季節を迎えて最初の点前の時、必ず毎年「あぁ、やはり炉の点前は良いものだなぁ……」としみじみ思っているのです。

と、月釜の事を忘れていました。主のもてなしにはじまり、訪れる茶人達(客)の心構えまで、様々な人を先生とし、ほんとうに色々と学べる機会なのです。炉の季節の喜びを主客共に味わい、新旧の道具のバランスの絶妙な趣きに感嘆し、味わいつくして大徳寺を後にしました。

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ジョン・C・ウェバーコレクション -MIHO MUSEUM-

 

151201-3.jpg紅葉も盛りを過ぎた山の中にあり、さらに、ジョン・C・ウェバーが何者?!かを知る人も少ないからでしょうか(すみません、私は存じ上げませんでした)、いつもの土日では考えられないくらいのゆったりとしたMIHO MUSEUM。
桜や紅葉が美しい事で多くの人が賑わう季よりも、贅沢な気持ちで鑑賞できました。

151201-2.jpgさて、ジョン・C・ウェバー氏ですが、ニューヨーク在住の医師で、美術品蒐集家だそうです。
長年コーネル大学医学部の教授をなさり、同学部長さらにはニューヨーク病院の副院長も務められた経歴を持ち、さらにマラソンやトライアスロンの欧米での大会での優勝経験も数知れずというような、まさにスーパーマンのような御方なのでありました。

今回は、そんな彼の、日本の美術品を中心とした蒐集品の展観なのでした。

151201-4.jpg多岐にわたる美術品の中でも、私が最も惹かれたのは朝鮮王朝時代の“日月五峰図”です(フライヤーの裏の左上にあります)。
太陽と月が同等に崇められているかのような画を拝見しますと、私の中で太古から受け継がれる記憶が蘇るような気持ちになります。宗教が宗教として歩き出す以前の自然信仰を思うからでしょうか。
日本とはまた違った朝鮮の独特の美意識にもいつも感銘を受けますが、この画もまたそうなのでした。

151201-1.jpg蒐集品を拝見していますと、頭脳、運動神経、美意識はもちろんのこと、ユーモアセンスまでも兼ね備えた紳士なのだろうな…と。選ぶ物は、その人そのものですね。
12月13日(日)までの開催です。

*ミホミュージアムの1階、2階にあるミュージアムショップは必見です!作家さんの様々なミュージアムセレクト品が並び、行く度に新たな出会いが。1階ショップには、私の友人でもある音楽プロデューサー・宮本貞雄氏がエグゼクティブプロデューサーをつとめたCD、“MIHO Journey to the Mountain”も置かれています。
世界各国、時空を超えて旅するかのような音がつまっていて、私はいつも部屋にいながらにして旅をしているかのような感覚で音にひたりきっています。こちらもオススメします!



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