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今週の花

上司のご自坊からの花が無い時は、研究所周りの空地に生える草花を探します。
何も無いように見えて、意外と色々生えているものです。今朝はこのように。
蓼生ける人も好き好き・・・。どこにでも生えている蓼はこの時期の私の楽しみです。

150930-1.jpg尊敬する陶芸家・福森雅武先生のお宅に初めてお邪魔した時の事を今も忘れません。
床の間には、酸葉(すいば)が。おそらく明らかにどなたでも「それ、雑草でしょ」と言い、道ばたで見かけても何の感情も起こらないような(ごめんなさい)道ばたの草なのでありますが、その酸葉を生けておられ、私は息をのむほどその美しさにびっくりしてしまったのでした。
こちらの記事の5枚目の写真。是非ご覧になってみてください。

「散歩をしていてね、ふと美しいなぁと目に入って来たら、摘んで持って帰って生けるのよ」と、こともなげに仰いました。「あぁ、それだけでいいのか・・・」。自身が気づくか気づかぬかだけの問題。

今は家にも蓼だらけです(葉っぱは水引の葉です)。

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11/9(月)開催 サンガセミナー 禅の庭入門講座のごあんない


150929-1.jpg昨年(上写真/天龍寺)は、【禅の庭入門講座 -室町・鎌倉編】を開催させていただき、多くの皆様と、日本における庭の歴史や、禅の庭についての学びを深めさせていただきました。
室町・鎌倉編ということで、このような開催内容となりましたが、本年はこれに続きまして、【禅の庭入門講座 ―近世・近代編】を開催させていただく事となりました。
前回の講座を受けられた方はもちろんの事、そうでない方もご受講いただけます。

内容は下記のとおり。皆様のご参加、お待ち申し上げております。

 

【禅の庭入門講座 -近世・近代編】
日 :11月9日(月)
時間:9:45~15:45
受講料:10,000円
*受講料には、昼食代と移動費用を含みます。

講師◆町田香
(まちだ・かおり/京都造形芸術大学 日本庭園・歴史遺産研究センター研究員)

    北海道大学工学部建築工学科卒業。
    京都造形芸術大学大学院芸術研究科博士後期課程修了。
    博士(学術)。
    ○『別冊太陽 栄西と臨済禅』禅の庭 執筆
    ○季刊『禅文化』223号~226号  禅の庭について、4回に亘り連載
    ○共著に『すぐわかる日本庭園の見方』 等


前回の禅の庭入門講座-鎌倉・室町編の続編として、近世・近代編を開催いたします。
江戸時代に入ると、室町時代の枯山水とはまた異なったさまざまな姿の禅の庭が登場します。そして、近代になると芸術作品としての禅の庭も造形され、禅の庭は新たな展開を迎えます。
そんな、近世・近代の禅の庭について、午前中は座学にて講義形式、午後には実際に現地を見学する事により学びを深めたいと思います。

150929.jpg〈近世-大徳寺高桐院庭園〉
千利休によって侘茶が大成される過程で、新たな庭園様式として露地が誕生します。茶の湯と結びついた禅寺では、露地をともなう禅の庭が流行します。江戸時代の大名・茶人として名高い細川三斎が父・幽斎の菩提寺として創建した大徳寺高桐院は、江戸時代の禅の庭の代表的存在です。

〈近代-東福寺方丈庭園〉
重森三玲は庭園の芸術性を主張しました。東福寺方丈八相庭は、禅宗寺院の伝統に学びつつも、現代の庭園としての「永遠のモダン」という願いが込められているとされます。


【スケジュール】
09:30       臨済宗大本山・大徳寺本坊にて受付
*普段は拝観謝絶となっておりますが、門をくぐって入って来てください。
09:45~11:15 座学で講義(大徳寺本坊)
11:30~12:45 昼食(泉仙大慈院店)・移動
13:00~13:45 大徳寺高桐院庭園参拝
13:45~14:30 移動
14:30~15:45 東福寺方丈庭園参拝



お申込みは、こちらからどうぞ。

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『玄奘三蔵物語:おとなの絵本』

 

150928-1.jpg大好きなインドファブリックのお店のブログを見ていたある日、 「なんだこの美しい本は?!しかも玄奘三蔵物語ですって?!」。
そのお店の更紗を使って、一冊一冊違う布で装丁がなされており、私の瞳は一瞬でその美しい本に釘付けとなったのでした。
さっそく取り寄せようとしましたが、自費出版で流通に乗っていないとのことで、出版社から直接電話にて求めました。

150928-2.jpgなんでも北九州に住む弁護士・清原雅彦さんが、命を賭して経典を持ち帰った玄奘三蔵に興味を持ち、1977年からシルクロードや中央アジアを毎年旅され、その功績を知るにつれて、本にまとめたいという意欲が湧き、奥様の助けを借りつつご自身で挿絵まで描かれたとの由。なんという尊いことでしょう。
人にはダルマといって、その一生で自身が遂行すべきことがあるとされますが、清原氏にとってはまさにこれがそうなのでしょうか。考えさせられました。

150928-3.jpgさらに今年の夏、私はインドへ趣き、ヴァイシャリからナーランダ、霊鷲山やブッダガヤなど、まさに玄奘三蔵が歩いた道を・・・と思っておりましたので、龍谷大学ミュージアムのこともあって、「今年は三蔵法師に呼ばれているのかしら?!」などと一人妄想したわけでありますが、実際その地に立った時の感慨もひとしおでした。

150928-4.jpg大人のために、こんな豊かな本があるのはとても良いものですね。

『玄奘三蔵物語:おとなの絵本』(スーパーエディション

150928-5.jpgナーランダからブッダガヤへと向かう道すがら・・・。昔から変わっていないのでは?!と思えるような風景。三蔵法師もこのような景色を見つつ歩いたのでしょうか。

 

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夕暮れの一休寺

 

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先日の記事のとおり、地域開発を巡って一休寺の庭園借景が存続の危機にさらされています。そんな初秋の或る週末、庭園のライトアップが行われました。

150925-2.jpg「まずは一休寺を知ってもらおう」という試みとのこと。

150925-3.jpg声をあげて叫ぶばかりでなく、見て、感じてもらうという手法にハッとしました。「反戦集会には行かないけど、平和集会なら行くわ」という、マザー・テレサの言葉を思い出します。

150925-4.jpg庭園を照らす灯りは、一見シンプル。ですが見方を誘導することなく、あくまで庭の個性を引き出すことに徹した、計算し尽くされたものなのでしょう。光と影のコントラストが印象的でした。

150925-5.jpgライトアップを担当されたライティングデザイナーの原田武敏氏は、一休寺にほど近い同志社大学ご出身とか。会場では少しお話もさせていただけたのですが、何気ない会話からも、この地に親しみを持ち、心を込められたことが伝わってきました。

150925-6.jpg良い形に収まればと、願います。


一休寺について詳しくお知りになりたい方は、こちらも併せてどうぞ。

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擔雪IIシリーズ 最新OSの Windows 10 に対応しました



150924.jpgWindows の最新バージョンである Windows 10 が2015年7月29日に販売開始されました。

Windows 7 や Windows 8 のパソコンを使用していると「Windows 10 にアップグレードしませんか?」という通知が表示されるので、無償アップグレードを検討されている方も多いかと思います。

弊所より発売しております寺院向けソフトウェア「宗教法人管理システム 擔雪 II」では、各部門管理 Ver1.40 以上にて、最新OSの Windows 10 に対応しました。

現在お持ちのセットアップCDのバージョン(CDの表面に赤色の文字で Ver1.** のように記載)が Ver1.40 未満の場合は、擔雪II各部門管理のインストール後に必ず最新バージョンのアップデートファイルを適用してご利用ください。

詳細についてはWindows 10 対応についてをご覧ください。

擔雪IIの情報はこちらからどうぞ

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第3回サンガセミナー 受講者募集中!

おはようございます。
10月1日(木)開催! 第3回目となりますサンガセミナーの日が近づいてきております。
第3回目は、サンガセミナーでも初の試み、禅の歴史についての講座を下記のとおり2講座設けてみました。

【禅の祖師・達磨大師とは?! -日本の達磨伝説より-】

禅文化研究所発刊の『日本にのこる達磨伝説』著者、藤田琢司(禅文化研究所所員)による講座。
日本では、坐禅姿を模した置物“だるまさん”になり、誰もが知る存在。宗派を越えて縁起物として広く親しまれています。
その“だるまさん”が、インドから中国へと渡り、中国にて禅宗の開祖となった“達磨大師”の事であるとご存知でしょうか。
実は、日本に「達磨が来た!?」と の伝説が数多く存在します。各地に残る伝説資料をもとに、「ダルマ、達磨、だるま」とは一体何者なのか?!を紐解いてみたいと思います。

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【禅の歴史講座-元末中国文人と南北朝時代禅僧の交流-】

新進気鋭の学者、国際日本文化研究センター准教授・榎本渉先生の講座です。
中世には多くの禅僧が中国に渡り、特に14世紀、元代はその全盛期でした。また中国の禅僧もたびたび来日し、日本の禅寺で指導的地位にありました。一方であまり知られていませんが、元代になると日本僧はより広く、俗人の文人士大夫とも交流を持つようになります。
本講座では元末に来日し禅僧と交友を持った陸仁という文人を主に取り上げ、日本僧の活動の広がりや中国の情勢を確認しつつ、その来日の背景を探ってみます。日元文化交流における禅宗の重要性を知る一つの素材となれば幸いです。


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知っているようで知らなかった事を知り、新たな発見を見出せる講座かと存じます。
講師のお二人はまさに歩く辞書的存在!様々な質問を投げかけてみてください。興味深いおこたえがいただけるかと存じます。

是非ご参加くださいませ。お申込みはこちらからどうぞ。

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ヴァンジ彫刻庭園美術館 -静岡県長泉町-

 

150917-4.jpg以前、秋に訪れましてご紹介しましたヴァンジ彫刻庭園美術館

150917-1.jpg季節ごとに味わいたい美術館だと思っていたところ、機会あって、夏に訪れる事ができました。
前回はあまり観られなかったクレマチスも、様々な種類が咲き乱れ、クレマチスの丘(クレマチス丘と呼ばれる複合施設の中の一つに、ヴァンジ美術館があるのです)というに相応しい様相を呈していました。

150917-2.jpg同じクレマチスの丘内にあります、ベルナール・ビュフェ美術館では、私も大学生の頃少し勉強しましたルドルフ・シュタイナーに関する展覧会が。
機会あるごとに展覧会を観に行ったり、本を読んだりするのですが、あまりに深淵なる世界観で、いまだにわけがわからない事も多々。それでもやはりどうしても惹かれてやまない世界。一生をかけて、少しずつ理解を深めてゆきたいと思っています。
こちらは10月13日まで開催です。是非お運びください。

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お寺でヨガ -両足院 ヨガスマイル-

春と秋の恒例行事となっていました、建仁寺塔頭・両足院さんでのヨガイベント、【ヨガスマイル】
毎回私の師匠・伊藤加奈子先生(季刊『禅文化』の「技を訪う」にてご紹介させていただきました)が講師としてクラスを担当される為、何度かお邪魔した事がありました。が、この秋が、両足院にて開催される最後の会となるそうです。
*我が師は今回2クラス担当されます。呼吸法のクラスは満員ですが、アーサナクラスはまだお入りいただけるようです。

150916-1.jpgインドでもアシュラム(道場)は、土地のエネルギーの高いところに建てられているはずです。ヨガはどこでだってできますが、やはり、古来より祈りが捧げられ、僧侶が修行をしてきた宗教的、文化的な場所で行なうアーサナ(ヨガのポーズ)は、身体や意識に覚醒を促しやすいのではないでしょうか。

そして、そもそもグル(指導者)について修行するのがまっとうな道とされるヨガですが、このイベントでは、日本全国から選りすぐりの優秀な講師が集まってきています。私自身ヨガをしていますが、波長の合う先生につくのが一番良いと思っています。

150916-2.jpg私の師匠の場合、ほれぼれしてしまうようなアーサナの完璧な美しさはもちろんのこと、たゆまぬ探求心で様々な事を学び続けられている事、そしていつも中道を歩まれていると思えるようなその雰囲気、心身のバランスの良さ、熱心な指導から、彼女以外、他に師はありえないと思って師事しています。
皆様もこのような機会に、素晴らしい師に巡りあわれる事を祈りつつ、ご紹介させていただきました。

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借景の森の危機 -京田辺・一休寺-

6月頃に参拝し、かの静寂の中、命の洗濯をさせていただいた京田辺の一休寺さん。
なんと、方丈庭園の借景となる裏山が、開発によって失われようとしているのだとか。

150915.jpg民意とは反対ばかりをゆく行政の在り方には心底辟易しますが、辟易ばかりしていられません。一休寺さんが署名を集めておられるようですので、皆さまご協力お願い申し上げます。→こちらから署名していただけます。

失われし借景庭園としては、そのご苦労ご心痛を圓通寺のご住職からも拝聴しましたが、繰り返されてはならぬ事と存じます。
これを決定した人物は、宗教的歴史的な遺産を破壊した者として、子々孫々に伝わる恥ずべき行為に自身が関わるという事実をわかっていらっしゃるのでしょうか。


京都市内でも次々と失われてゆく木々たち。
そういえば、もうすぐ京田辺で上映会があるガイアシンフォニーも、我々にとって無くてはならない樹がテーマ。いつもタイムリーな警鐘を鳴らしてくれるガイアシンフォニーですが、まさに今回も。私自身、上映を楽しみにしていますが、より多くの方に意識を持っていただけるよう、こちらでも宣伝させていただきたいと思います(上映会の詳細はこちら)。
皆さま、それぞれどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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雨の麟祥院

 

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先週後半は、東京は湯島にあります春日局のお寺、麟祥院さんにて宝物調査をさせていただいておりました。
こちらも色々と勉強になり、大変有意義なお仕事をさせていただき感謝しております。

150914-2.jpg東京もずっと雨が降っていましたが、ホテルでニュースを見て驚愕。自然の猛威を前に言葉もありません。
原発の事に関してもそうですが、自然からのメッセージを無視し、未だに人間は己の力を過信し、利己的な欲に溺れている感が否めません。一人一人の意識の変化を促しているように思えてなりませんでした。
被災した方々の苦しみが少しでも軽減するよう祈るばかりです。

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花園大学 学長講座

 

毎週月曜日に開催されます花園大学の学長講座。
後期は9/28より始まるもようです。聴講無料。皆様是非お運びくださいませ。

日程その他詳しい情報はこちら



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*写真はインドの大好きな風景で、水牛の泥遊び・・・・・・いえ、インド人が言うのには、ナチュラルサボンで、寄生虫やらを防ぐのだとか。
スジャータがお釈迦様に乳粥を施したあたりの、のんびりとした風景です。

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静岡茶のルーツ



150910-1.jpgクリックすると大きくなります



お茶というと、どうしても臨済宗では茶祖といわれる栄西禅師が、中国よりお茶の種を持ち帰ったお話があまりにも有名です。
私自身お恥ずかしながら知らなかったのですが、静岡茶のルーツはなんと東福寺開山の聖一国師であるのだとか。
静岡を訪れた際、静岡茶の都マップなるものをいただき、その紙面で知ったのでした。中国へと渡った留学僧は、少なからず茶の種を持ち帰ったものなのでしょうか。自身が行ったとしたら・・・やはり持ち帰りますかね???


なぜお茶のラベルを東福寺の管長猊下が揮毫されているのだろう?!と思っていましたが、こういった御縁があってのことだったのですね。

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秋月吟壽-秋の名月と筑前琵琶のゆうべ- 安土摠見寺

 

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滋賀県安土にあります摠見寺さんにて、音楽を通してお寺と地元の交流を深め、近江・安土の発展を願う、第1回目となるコンサートが開催されますので、ご案内させていただきます。

内容としましては、安土城址の伝豊臣秀吉邸跡にて、筑前琵琶「熊谷と敦盛」、仕舞「敦盛」、筑前琵琶「大徳寺」を、筑前琵琶は田中旭泉さんが奏でられ、仕舞は味方玄さんが舞われるとのことです。

幽玄の世界をお楽しみください。

【詳細はこちら】

日時:平成27年10月25日(日)
会場:安土城址 伝豊臣秀吉邸跡
入場料:前売り3,000円 当日4,000円
定員:200名
開場:17:00 演奏19:00~20:30
前売 3,000円/当日 4,000円 軽食・飲料などがついています。
定員200名

主催:安土城址摠見寺保勝会
協力・問い合わせ先:近江八幡観光物産協会(TEL 0748-32-7003)
チケットは近江八幡駅北口観光案内所(0748-33-6061)、または安土駅前観光案内所(0748-46-4234)にて販売しています。

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龍谷ミュージアム

 

150908-1.jpg展示内容はもちろんのこと、解説のわかりやすさやそのビジュアルの面白さにかけては群を抜いていると思える龍谷ミュージアム
縁あって訪れた、仏教については詳しくない一般の方々にもわかっていただこうという心くばりが随所に見られ、個人的にも大好きなミュージアムです。

さて、今回は『玄奘』展。かの玄奘三蔵法師がテーマなのです。
玄奘三蔵といえば、中国は唐の時代、7世紀に実存したお坊さんで、国禁(唐は鎖国政策を採っていました)を侵してまで、困難な旅の末にインドから経典を持ち帰った御方。実在の人物です。

中国からインドへというと、皆様地図を広げてみてくださいませ。登山グッズや便利グッズが溢れている現在でも、どれだけ重装備をして用意すれど、そこを現代的な乗り物に頼らず行こうと思えば、、、想像もつかない道のりなわけであります。

150908-2.jpg度重なる困難を乗り越え、インドから経典を持ち帰り、生涯を賭してその翻訳に携わった玄奘三蔵。
まさに伝説的なその超人的偉業は、行く手を阻む様々な妖怪などが現れては邪魔をするのを、時にはお付きの者たちが、また時には神通力でたちまち倒してしまう・・・そう、かの『西遊記』という物語の基となったわけであります。

150908-5.jpgパンフレット500円。三蔵法師の歩いた道がわかる地図が!


今回の展示では、そんな伝説化した、超人的な存在としてとらえられがちな玄奘三蔵を、多くの困難や苦悩に苛まれながらも、強い意志を持って生きた一人の人間として見つめてみようではないか・・・という素晴らしい試みなのでありました。

この夏私の中で一番熱い展覧会でした。

 

と申しますのも、くしくもこの展覧会を観に行った直後に、玄奘三蔵も学んだインドのナーランダ、たどり着いた時に突っ伏して号泣されたというブッダガヤのお釈迦様悟りの地、マハボディ寺院に訪れる予定だったからです。
「インドは人を呼ぶと言うが、今回は三蔵法師に呼ばれたのではないか・・・」などと一人都合の良い妄想にふけて心躍らせるのでありました。


実際この夏は三蔵法師にまつわる色々が私の周りにあったのですが、他のお話はまたいずれ。
展観は9月27日までです。私もいま一度訪れようと思っています。皆様も是非!

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インドに数ある大僧院の中でも、このナーランダほど壮麗崇高な僧院はない。
ここでは、1万ともなる僧達が大乗も小乗の教えも共に学び研鑽している。慎み深く、そして厳粛に。
『大慈恩寺三蔵法師伝 巻3』

150908-3.jpg僧坊。玄奘三蔵が使ったと伝わる部屋。遺跡の入り口で雇ったインド人ガイドが言っていたので、本当かどうかは定かではありませんが、信じて思いを馳せてみました。

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長野での花摘み

 

150908.jpg夏に訪れました、標高1650mのところに住む友人宅周辺での花摘み。
都会の気温が40度にも届こうかという中、クーラー無しの贅沢。そして短い夏に精一杯咲ききる山野草たち。
 
気の向くままに摘んでいても調和してくれます。自然界には不調和が無いのだな・・・という事を教えてもらえるのです。
自然から教えられる事はいつも当たり前のことのようで、偉大です。

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井戸尻遺跡 -長野県諏訪郡-

 

150904-1.jpg8月の初旬、かねてから気になっていました長野県の井戸尻遺跡を訪ねてみました。湧き水が豊富なこの地域には多くの遺跡が残ります。
私の大学のゼミ担当教授が憧れる時代が、“縄文時代”。
学生の頃はこれを聞いてもさほどピンともこず、「先生らしいな・・・」くらいの感想で終わっていましたが、今となっては頷けるような・・・。

150904-2.jpg地球を汚すこと無く、自然と共生する持続再生可能な生活スタイル。歴然とした身分や貧富の差の無いくらし。

150904-3.jpg東日本大震災を経て、今でこそパーマカルチャーなどという言葉も随分と注目されるようになりましたが、私が高校生の頃バブルが崩壊し、大学卒業の就職時には過去最悪の超氷河期時代と言われ、私自身も今となっては信じられませんが「一部上場企業に入る事こそ!!!」などと思っており、パーマカルチャーという言葉すら聞いた事も無かったと思います。

世の中も自身も、自身の意識もこんなにも15年ほどで変わるとは思ってもみませんでした。
そんな中訪れた縄文時代の遺跡。先生が縄文時代を好む理由がすとんと腹に落ちてくるような・・・。
なんともクリエイティブで、やはり現代の人間の方が人間力という意味でははるかに後退してしまったのではないか・・・と思うのでした。

150904-4.jpg資料館では、当時の暮らしぶりも再現されています。シンプルで無駄が無い。なんだかふと僧堂の典座(てんぞ・台所)を思い出してしまいました。
ここからは素晴らしい縄文土器の数々を。今でもステキに使えるものばかりです。



150904-5.jpg季節のフルーツを盛りたい気分になりますね。

150904-6.jpg傘立てにしたらかっこよすぎるのではないでしょうか。

150904-7.jpg花を生けたいです・・・。

150904-8.jpgかの有名な、水煙渦巻文深鉢です。岡本太郎氏が縄文時代を絶賛していた事を思い出しました。
自然界にある、ふと見逃してしまうような日常の風景の中の美を表現。縄文時代の人々の豊かさに思いを馳せました。

 

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第40回「京の夏の旅 文化財特別公開」南禅寺大寧軒

以前、南禅寺の塔頭にお仕事で伺いました折、固く閉ざされた門の向こうに少しだけ垣間見える世界がいたく気になっていました。
その“少し”だけでも、向こうに広がる世界がきっと素晴らしいものであろうと、どうしたってわかってしまうような、そんな気配を感じての事。

150903-1.jpg南禅寺大寧軒。室町時代には大寧院があり、その後幾多の歴史的変遷を経て、明治時代に藪内家(茶道)の所有となったそうな。
垣間見えていたのは、池泉回遊式でありながら、茶家の所有らしく茶庭(露地風)の意匠をこらした庭園だったのでした。

150903-2.jpg400坪以上ある庭内には、小間の茶室「環翠庵」が。例えば茶会をするとして、この茶室への席入りも、幾通りあるだろう?!と思うかのような・・・。茶庭としてはなかなか他に類を見ないのではないでしょうか。面白い趣向で茶会ができそうです(現在は南禅寺の所有となり、全く使われていない様子ですが)。

150903-3.jpg琵琶湖疏水を引きこんだ清流には、その証として、しじみの貝殻も目立ち、豊富な水量を誇っており、夏の暑い盛りに訪れましたが、緑一色の世界で水の音を聴き、まさに涼を得るひとときでした。

150903-4.jpg9月30日まで。滅多に公開されませんので、皆さま是非この機会にお運びください。

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地球交響曲 ガイアシンフォニー第8番上映会のおしらせ

これまで幾度かこちらのブログ(下記です)でもご紹介させていただいております地球交響曲-ガイアシンフォニー

ガイアシンフォニー・地球交響曲第7番

呼吸と空

サーフィンと禅

 

150902-1.jpg私の場合、大学生時代のゼミの授業で教授から紹介され、ゼミ生皆で観たのが最初だったと記憶しています。
その後、観る度に、自身にベストなタイミングで必要な情報を与えられているようで、忘れては思い出し、思い出してはまたDVDを観てみたり・・・を繰り返しては、いつも目から鱗。感動が毛穴という毛穴から噴出するような思いを抱いています。

いつも我々人間の傲慢さに警鐘を鳴らし、気づきを与えてくれたガイアシンフォニー。東日本大震災を経て初めての作品に、またどのような気づきを与えてくれるのか、私も楽しみに伺う予定にしています。

さらにこの上映会、京田辺市にあります、シュタイナー学校で開催されます。我が大学のゼミの恩師の後輩が、「理想の学校が無いので創る!」と、創られた学校。お邪魔するのは初めてですので、それも楽しみにしています。

お申込み・詳細はこちら

 

今回は“樹”がテーマ。私も、いつも私が頼りにし、心の拠り所としているイチョウの大木があります。龍村監督のおことばを下記に転載させていただいておきます。

150902-2.jpgこの地球に初めて生命が誕生して38億年。生命は何度も絶滅の危機に瀕しながら、その都度奇跡のように甦り、新たなる進化を遂げ、私達人類は今、こ こにいます。宇宙は、自らが生んだ生命を“可能な限り永く生かせ続けたい”という意志を持っている様にさえ思えます。この“宇宙の意志 (Universal mind)”を地球上で体現しているといえるのが“樹”です。
樹は何億年にも渡って大気中の酸素濃度を21%に保ち続け、絶滅と進化を繰り返してきた多様な生命を生かし続けてくれたのです。
世界の全ての文化の中に、樹令数百年の老大樹には、精霊が秘んでいるという言い伝えがあります。「樹の精霊」とは、「宇宙の意志」の顕われなのかも知れません。

私達日本人の中には遥か縄文の昔から1万年近くに渡って聴き続けて来た樹の精霊の歌声が、かすかな残響波となって今も響き続けています。
東日本大震災から4年、真の復活を遂げる為に私達日本人は今、なにに気付き、何をなさなければならないのか!
「樹の精霊の声、すなわち宇宙の声を聴く力を甦えらせなければならない」と気付いた日本人達がいます。地球交響曲「第八番」では、この人々の想いと活動を世界に向かって発信します。

地球の未来の全ての生命が健やかに、末永く生き続けることを願って。   龍村仁

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9月

 

150901.jpg皆さまおはようございます。
8月中はお盆のお休み、その他職員の出勤も不規則な事から、ご迷惑をおかけ致しました。
本日より通常通りお仕事させていただいております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

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