Feb 10
2015
衡梅院その2 -妙心寺塔頭-
きのうに続きまして、妙心寺塔頭・衡梅院さんのご紹介。
衡梅院さんには一風変わった茶室があります。
茶の湯を稽古している者からしますと、「むむ?!普通の茶室とは様子が違うぞ」とすぐに気づかれるかと思います。
それもそのはず、煎茶道にも使える茶室なのだとか。木材の使い方、掛かっているお軸、水屋入り口にありました扁額?!(煎茶道っぽいのです)
その他随所に煎茶道の影響だろうと思われる箇所がみえて、興味深いものでした。
こちら、大正時代に南山城より移築してきた茶室とかで、その名を“長法庵”といい、とても明るくすっきりした風情でした。
この、枝ぶりを生かした窓、水屋の明かり取りなのです。このあたりなど、煎茶道っぽいと思うのですがいかがですか?
こちらが茶室の入り口にあります扁額。変わっていますねぇ。
これの意味はここで話してしまうと、参拝される方のお楽しみが減ってしまいますので、参拝された方のみのお楽しみで。
他にも、江戸時代の狩野派の絵師・大岡春卜の龍虎、獅子などの障壁画を拝見させていただけます。
次はいつ公開されるかわかりませんので、是非公開期間にご参拝なさってみてください。
私は、今週か来週には妙心寺の三門を登って参拝してまいりましょう。またご報告します。
by admin at 09:00
いつもブログ 拝見しております。 禅の事だけでなく茶道やお花の事のお話題も豊富で楽しみです。
長法庵も 早速 行ってきました。 なかなか風情があって良かったです。 気になっていた扁額の説明が聞けなかったのでもし 良かったら教えていただけないでしょうか?
妙心寺のお茶室 珍しいと思ったのですが 沢山あるのですか?
tomoko さま
こんにちは。いつもご覧くださり、またコメント頂戴しまして有難うございます。
扁額ですが、そろそろ説明しても良いでしょうか?!(拝観して、ご自身で知りたい方は読まないでくださいませ)
木の虫食い(でしょうか?空洞がありますよね)を“雲”という字に見立てて、「雲無心にして 岫(しゅう:山の谷合)を出ず」(陶淵明)としてあるのです。
面白いですね。
妙心寺の茶室につきましては私も全ては存じ上げませんが、そもそも妙心寺は、同じ臨済宗でも大徳寺などとは違い、茶や花、香道などは修行の妨げになるとして遠ざけました。
ですので、他の本山の塔頭に比べまして、茶室が少ないのです。
退蔵院さんや桂春院さんに“隠れ茶室”がありますのは、そういった理由からです。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
早速にお答え頂き有難うございました。
興陶淵明の「帰去来辞」ですか、なかなか心憎いですね。 同じ禅寺なのに 考え方が違うのも興味深いことです。私は茶室を見るのが好きなので説明して頂き有難いです。 妙心寺 お庭も素敵でまた 訪れたおです。 これからも 宜しくお願いいたします。