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サンガセミナー 2014年第4回 寺院の活動と寺院規則と法律

 


150130-1.jpgいよいよ今年度における最終講座となりますサンガセミナーが、1月28日(水)に開催されました。

まずは午前中。
法輪寺(通称だるま寺/京都円町にあります)様のお部屋をお借りして、臨済宗寺院のご住職でもあり、現役の行政書士でもある田口誠道師より、「寺院の活動と寺院規則と法律」についてを皆さんと学ばせていただきました。

150130-3.jpg在家の私には関係無いと言えば無いのですが、下記の○×問題に一緒に取り組ませていただきました。20問中17問の正解。我ながらなかなかの出来でした(回答は後日コメント欄に記入させていただきます)。



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クリックすると大きな画像が開きます

我々が、苦手意識も強く、わかりにくいと思いがちな“規則や法律”について、田口先生は様々なアンケート調査結果や事例を挙げ、懇切丁寧に教えてくださいました。
知らなかった事を知る事によって、寺院の活動にも幅が出てくるのではないでしょうか。

活発な質疑応答もなされ、充実した学びの機会になった事と存じます。
講師の田口先生、そしてご参加いただきました皆さま、どうもありがとうございました。

なお、田口先生には前年度、エンディングノート活用講座をお願いしておりました。このエンディングノートは、弊所オンラインショップでもお取り扱いさせていただいております。ご参考までに。

150130-4.jpg*この日、田口先生が皆さまに紹介された本をこちらでもご案内。Amazonさんでの評価は真っ二つに分れていますが、どうでしょうか。上司が求めたようですので、また感想を書いてもらいましょう。

『葬式仏教正当論―仏典で実証する』 著・鈴木隆泰



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宇治上神社

 

150129-1.jpg京都の宇治、朝日山の裾野に鎮座する宇治上神社。
初めて参拝させていただきましたが、こちらを説明するのに、もう理由や理屈はいらないと思えるような気に満ち満ちている境内。

150129-3.jpgそもそも神社もお寺もそういったところに建っていてしかるべきですが、そこを守っている神主さんやご住職、集う人間によって、良くも悪くも変わってきたりするものですね。

150129-2.jpg拝殿、本殿の、何を足す事も引く事もいらないと思えるほどに研ぎ澄まされた建築は、それぞれ、鎌倉時代、平安時代に伐採された桧や木材が使われており国宝に指定されているそうな。

150129-4.jpg宇治へゆけば平等院には必ず参拝されるでしょうが、川の反対側にあるこちらへの参拝もお勧めします。

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日牟禮八幡宮  -滋賀・近江八幡-

 

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JRの新快速が停まる駅。京都駅から30分という近場でありながら、初めてきちんと訪れてみた近江八幡。駅を降りるとまっすぐのびる道のその先には、八幡山が鎮座。なんとも気持ち良い気が満ちています。

150128-2.jpg八幡山の麓・日牟禮八幡宮を中心に、碁盤の目となった町並みには、渡来人文化、信長開基の寺に近江商人の屋敷、そして洋風のヴォーリズ建築。
いろんな要素が驚くほどしっくり溶け込みあい、どこを歩いても退屈しない町なのでした。

150128-3.jpg本日は日牟禮八幡宮の写真をご紹介。
国の選択無形民俗文化財となっている二大火祭「左義長まつり」と「八幡まつり」の折にも是非参拝してみたいもの。

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150128-5.jpg個人的にはやはり能舞台が気になります。この能舞台の改築竣工にあたり、明治32年(1899)に、「応神天皇が近江八幡の地にてふたつの日輪を見た」という言い伝えから、日觸詣(ひむろもうで)という能が創作されたそうです。
長年披露されなかったようですが、平成5年の薪能の際に演じられたのだとか。
それ以降は薪能も無くなり、この舞台も使われていない模様。その土地にまつわる話より作られた番組、是非とも薪能を復活していただき、大切に伝えていっていただきたいものです。

つづく

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矛盾を編集する力 -西田幾多郎と鈴木大拙-


150127.jpgご案内をいただきましたので、皆さまにもご紹介しておきます。
私も個人的にサイトを楽しみに拝読させていただいている、松岡正剛先生を講師とし、「矛盾を編集する力」という講演会が、学習院大学・目白キャンパスにて開催されるようです。
ご関心ある方は是非おでかけになってみてください。

日時:平成27年2月28日(土)開場12:30/13:00~15:30
場所:学習院大学 目白キャンパス(東京都豊島区目白1―5―1)
講師:松岡正剛(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長
演題:矛盾を編集する力―西田幾多郎と鈴木大拙―
特別展示 12:00~17:00(北2号館1階史料館展示室)
料金: 全て無料
申込:「学習院大学の申し込みフォーム」より

ちなみに、季刊『禅文化』237号では、西田幾多郎没後70年並びに、鈴木大拙50回忌の特集を組む予定としております。お楽しみに!

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季刊『禅文化』最新号

150126.jpg先日お知らせいたしました季刊『禅文化』の最新号が発売されました。特集は「臨済禅師・白隠禅師遠諱に向けて(後編)」です。

論文あり、エッセイあり。

昨年東京で行なわれた「禅ってなに?-遠諱記念鼎談-」(円覚寺派管長・横田南嶺老師/聖学院大学学長・姜尚中氏/花園大学教授・佐々木閑氏)の模様は、会場にお越しいただけなかった皆さまもこの機会にぜひ誌上で。

来年開催される展覧会の詳細もいち早くお伝えしております。

また、このたび初めて訓読された白隠禅師の漢文語録『荊叢毒蘂』については、新たな事実が。
なんと、白隠禅師の肉声が、書き入れによって残っていたというのです(ちなみに駿河なまり)。こちらは、訓読を担当された芳澤勝弘教授の論攷でお楽しみください。

表紙は、柔和なお顔の臨済禅師(妙心寺蔵)。臨済禅師といえば厳しい顔つきの頂相(ちんそう)が印象深いのですが、同一人物の肖像がなぜに真逆の表情なのでしょうか。こちらも、詳しくは本誌をご覧ください。

A5変形という小さな本ですが、バラエティに富む誌面になるよう編集部一同、工夫を重ねております。できればご意見や感想などお寄せいただければありがたく、宜しくお願い申し上げます。

お求めはこちらから

【もくじ】

〔ご報告〕禅文化研究所創立五〇周年 記念式典・第四回 禅文化賞授与式
特集 臨済禅師・白隠禅師遠諱に向けて〔後〕
【誌上提唱】『臨済録』上堂 葛藤からの解放/小倉宗俊
臨済禅師肖像雑考/福島恒徳
遠諱記念鼎談 禅ってなに?/横田南嶺・姜尚中・佐々木閑
白隠禅師『荊叢毒蘂』の初版本と、その書き入れについて/芳澤勝弘
ヨーロッパにおける白隠禅の萌芽/寶積玄承
特別展覧会「禅─心をかたちに─」/羽田聡
河北正定に臨済禅師の遺跡を訪ねる (二)/衣川賢次
笶髦€ グラビア 恵林寺の寺宝 Ⅱ
禅の現代的意義について―鈴木大拙の思想に学ぶ/竹村牧男
部分から全体へ 寺院建築入門 (五)/佐々木日嘉里
禅宗語録入門読本23 丹霞 (下)/小川隆
三余居窓話 (余滴五)/西村惠信
善財童子の求道ものがたり (三十三)
マガダ国の菩提道場を守護する大地の女神スターヴァラー(安住)たち ―菩薩道五十三次 舞坂の宿駅―/小林圓照
文化の爛熟と禅 (上) 要説・中国禅思想史41/伊吹敦
睡猫庵歌話 (七) 病む身の愛惜 ―長塚節の生死―/大下一真
禅における心身について (七) ―ブッダ本来の言葉と禅 (二)/佐々木奘堂
和尚さんの身体講座 (四十四) 年寄りイボを「菌活」で治す/樺島 勝徳
笶鮪將・ウんのリレー・エッセイ笶磨@二代目の嫁として/醍醐千草
ラオス逍遙 後編/川辺紀子
表紙解説/福島恒徳
いっぷく拝見
編集後記《すずろごと》
『禅文化』バックナンバー
禅文化研究所の本
切り絵 田中道男

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青蓮院門跡 -将軍塚-

 

150123-1.jpg国宝“青不動尊”の特別開帳には間に合いませんでしたが、将軍塚にあります、青蓮院門跡の飛地境内を参拝。秘仏にはおめにかかれなかったものの、そこから眺めた自然界の美しさがさながら仏か神そのもののようでした。

150123-2.jpgいつも平安神宮あたりにある友人のマンションから「何が建築されているんやろうね?!」と話していましたが、3年にもおよぶ修復期間を経てお戻りになられた青不動尊をお祀りする青龍殿と、舞台の建築だったのです。

150123-3.jpgなんとも広い舞台なのです!!! 新しい木材が清々しく。これから歴史を刻んでゆくのですね。

150123-4.jpg平安神宮の鳥居は、将軍塚からも発見できます。こないだまでは、あのあたりからこちら(舞台)を眺めては、「なんだろう?」と言っていたわけです。

さらにこちらには大日如来を祀った大日堂もありますが、まさに、この景色を眺めていますと、宇宙そのもの、万物の慈母とされる大日如来の世界が迫ってくるようなロケーション。山々に囲まれた京の都は御所を中心に曼荼羅のように見えてくるのでした。

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駿河白隠塾

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平成29年に白隠禅師250年遠諱に正当することは何度も書いておりますとおりですが、昨年秋、白隠禅師のお膝元の沼津では、地元の偉人である白隠禅師を顕彰しようと、「沼津白隠塾」なるものが起ち上がりました。
会長は、白隠禅師のご実家の末裔に当たる、(株)耕文社社長の長澤一成氏。そしてオブザーバーとして、もちろん芳澤勝弘先生(花園大学国際禅学研究所教授)がおられます。

そして今後は、この沼津白隠塾が主催し、沼津市が後援で、白隠塾フォーラムが開催されていくことになりましたが、その第一回目が2月27日の夜に、沼津駅前のプラザヴェルデ3FにあるコンベンションホールBにて開催されます。

今回の講師は、玄侑宗久氏(福島県福聚寺住職/芥川賞受賞作家)と、芳澤勝弘先生です。

詳しくは上記画像をクリックするか、こちらをクリックするとひらく、PDFファイルをご覧下さい。

事前申し込みが必要です。各地での白隠フォーラムも定員〆切りが続出しています。ご希望の方はお早めに。

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僧堂・本山での特別坐禅会

皆さま、おはようございます。

何度かご案内させていただいておりますが、来たる平成28年に迎えます、臨済宗の宗祖・臨済義玄禅師1150年、ならびに翌平成29年に迎える日本臨済宗中興の祖・白隠慧鶴禅師250年の両遠諱(お亡くなりになられてから、これだけの年数が経つのです!)にむけ、臨済宗・黄檗宗全宗派をあげて大遠諱事業を立ち上げております(禅文化研究所は事務局を兼ねております)。

150121.jpgそんな、遠諱事業の一つとしまして、各地の僧堂や寺院にて、報恩坐禅会を開催致します。
既に定員に達した所もありますが、まだまだ募集中です!
特に僧堂などは、こういった機会が無いと坐るチャンスもなかなか無いかと存じます。

3月から5月にかけて開催されますので、そろそろご予定に入れていただいては?!と、ごあんないさせていただきました。
ご参加、お待ち申し上げております。

詳細&お申し込みはこちらからどうぞ。

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バッチャン村 -ベトナム-


150120-1.jpg突然思い出したかのように始まる旅行記、ベトナム編。
茶の湯を稽古する者にとってはこの村を訪れるというと、一種独特の感慨を持つものです。ハノイから1時間半ほど車を走らせた所にあります。

古くより茶人たちが茶道具に見立てて使った安南焼とは、このバッチャン村で焼かれた焼き物を言います。
おおらかな絵付けが、美しいブルーの釉薬で施されたなんともいえぬ愛嬌ある姿。完璧過ぎる美をどちらかというと嫌う日本人、茶人の目に留まったのでしょう。
現在でも、安南写しといって、当時の焼き物を写した茶道具が作られ、根強い人気を博しています。

150120-5.jpgホテルの洗面にもバチャン焼が

バッチャンでは、陶工の友人と一緒でしたので、あちらの職人さんと轆轤の見せ合いや、釉薬(まさに安南ブルーです!)をいただいたり、楽しい交流ができました。
ちなみに、釉薬、鉱物の粉でくれるのかと思いきや、なんと液体をビニール袋に入れて…。

150120-4.jpgベトナムを出国し、ラオスに入る時は大丈夫でしたが、ラオスから日本に帰ってくる時には荷物検査でひっかかり(ペットボトルに入れ替えたのです。トランクの中にペットボトル4本並んでいたら、それはアヤシイですよね…)、彼女がバッチャンで轆轤をひく動画を検査官に見せたり、絵付けに使うのだという事を説明するのに必死でした。せっかくバッチャンで仕入れた釉薬をみすみす没収されるわけにはゆかぬのですから!
どう見ても恐らくアヤシクは無い?2人に、検査官のお兄さんも「へー、絵付けに使うのか~」と納得した模様…。
まだテストしかしていないようですが、どんな陶器が生まれるか、楽しみです。またこちらでもご紹介致します。

150120-2.jpg絵付けの様子

150120-3.jpg梱包材なんて使わない!とってもエコです

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ワザとこころ 能の伝承 -京都観世会館-

成人の日、京都観世会館にて開催されました「ワザとこころ 能の伝承~稽古と修行と教育」という大変興味深いシンポジウムに参加しました。

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これは、京都大学こころの未来研究センターとの共同企画で、センターの鎌田東二先生を進行役に、なんと観世流宗家・観世清河寿氏と、さらにご子息の三郎太さんを迎えて、まさに題名にあるごとく、父から息子へと連綿と受け継がれてきた能の稽古や修行、教育について、空気を読まない(とご自身や同僚の先生方が仰っておられました)鎌田先生が忌憚なく質問を投げかけられ、またそれに宗家と三郎太さんが忌憚なく答えられるという、前代未聞、能ファンにとってはありえないような興味深すぎる会なのでした。

プログラムは下記のとおり。

■開会挨拶:吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター長)
■趣旨説明:鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授・宗教哲学・民俗学)
■第1部 :能の稽古の伝承のトーク
観世清河寿(観世流二十六世宗家)、観世三郎太、鎌田東二(司会)
■実演  :舞囃子
観世清河寿、観世三郎太
■休憩
■第2部 :シンポジウム「能の伝承~稽古と修行と教育」
観世清河寿、観世三郎太、西平直(京都大学教育学研究科教授・教育人間学)、
河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター教授・臨床心理学)、鎌田東二(司会) 

なんと、実演まで。
舞囃子というと、面や装束をつけず、紋服袴のままで、地謡と囃子を従えて舞うのですが(今回囃子方はいませんでした)、曲中の最も盛り上がる部分を抜き出して拝見するような感じ。今回は「とうとうたらり~たらりら~」の始まりで有名な翁を。
1月ですから、国家安泰、鎮魂と未来への再生を願うこの舞を拝見できた事は特に有難い事でした。

また、宗家の公演は東京が主ですので、拝見するのは大学生の頃以来、約15年ぶりでしょうか。学生の頃に感じたのとは全く違い、宗家が変わられたのか、私が変わったのか、いやどちらもなのでしょうが、月日を経てまた出会うとは、なんとも良いものだなぁ・・・としみじみ思いつつこの会に感謝。
朗々たるお声にしばし違う世界へと誘われました。

150119-2.jpg我々一般人からすると、観阿弥・世阿弥の時代から続く家に生まれた重みという事にすぐに思いが至るものですが、ご子息の三郎太さんはそれはもう、生まれた時からそこに居るわけなのですからごく自然の平常心。なんのてらいも無い中学三年生。清々しいものでした。
宗家も仰っていましたが、「近頃お客様の方が違ってきている。育てる眼というものどうか持っていただきたい」と。

京都のとある能楽堂で、初めて舞台に立つ家元のご子息を観て、おばあさん二人が「いやぁ、大きうなりはったなぁ若も」と孫でも観るかのごとく愛しげに見守っていらした姿を思い出します。

現代を生きる我々は、スピードを常に求められ、早い成長、完璧さを求めがちですが、成熟してゆく過程というものを、その中に潜む良さを発見しつつ、心の余裕を持ちつつ楽しめる人でありたいと思いました。

鎌田先生を筆頭に、西先生、河合先生それぞれの個性にもいたく惹かれたこの会。
始まりと終わりには、鎌田先生の法螺貝の音で会場も清められ・・・(神道がご専門です)。
こころの未来研究…これは、いつか禅とのシンポジウムも開催されねばならぬのでは?と一人妄想しています。

*翁発祥の地、奈良豆比古神社の記事はこちら。能役者ではない、地元の方が継承している翁の舞は、現在のお能のように洗練されてはいませんが、それがまたその起源を思わせ感動したものでした。

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もうすぐ発売日

 

140116-1.jpg1・4・7・10月は、季刊『禅文化』の発行月です!

前号に続き、今回も臨済・白隠両禅師の遠諱に向けての特集号となっております。制作にあたっては、50年前の臨済禅師遠諱特集(『禅文化』37号)を手に取り、当時制作に関わられた方々に敬意を払いつつ、作業に取り組みました。

今回もたくさんの方にご協力いただきましたが、一部内容をご紹介させていただきますと

臨済禅師については、件の37号に掲載された論文から繋がる論攷をご寄稿いただきました(新米編集としては、この点にも感動)。また白隠禅師に関しても、新発見を綴るたいへん興味深い論攷を賜わっております。

表紙は臨済禅師ですが

お馴染みのこのお顔ではありません。どんな臨済禅師なのか、表紙も楽しみにお待ちいただければと思います。宜しくお願いいたします。

 

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今年度最後のサンガセミナー

色々な講座を開催し、皆さまにご報告もさせていただいておりますサンガセミナー
今年度最後のセミナーが、1月28日(水)に、2講座開催されます。

1、まずは、お寺さん向けセミナー「寺院の活動と寺院規則と法律」。

大企業で働いた経験後、雲水修行に憧れ出家。 行政書士の資格も持ち、実際に様々な案件に関して寺院や檀家さんより相談を受けられている、田口誠道和尚(臨済宗妙心寺派・長野県長昌寺住職)におでましいただきます。

寺院の様々な活動の可能性について検討し、それにともなう宗教法人法や関係法令や判例なども学ぶ講座です。

150115-nehan.jpg涅槃図 岐阜・少林寺藏

2、涅槃図お絵解き講座 ~お釈迦さま最後の旅~

個人的にもとっても楽しみにしています。お釈迦様最後の旅・・・。
このブログをご高覧いただいている皆さまなれば、「涅槃図」というものをご覧になられた事はあるかと存じます。
お釈迦様が涅槃に入られたお姿が中央に、そしてその周りに生きとし生けるもの全てが嘆き悲しんでいる姿が描かれたあの画です。
見た瞬間に「あぁ涅槃図ね」と誰でもわかる構図なわけですが、その細部までご存知でしょうか?
こちら(臨黄ネット内)で、その様子や、登場人物(動物?色々ですが)が誰なのかなどを解説させていただいておりますが、お絵解きとして一度お聴きになってみませんか?

涅槃図お絵解きで全国を行脚されていらっしゃいます、長野県の真言宗・長谷寺の寺庭さん、岡澤恭子さんにお願いしております。

まだ受け付けておりますので、ご関心おありになる方は是非いらっしゃってください。
最終のごあんないでした。どうぞよろしくお願い致します。

 

お申し込み・詳しくはこちらから

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つらつら椿

 

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つらつら椿 つらつらに、、、

昨夜帰りましたら、玄関に椿の花束が。
心躍りながら自宅に生け、今朝は研究所にも。
なんでもない日のこういった心遣い、嬉しいものですね。

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聞き分けの...

150113-1.jpg絵はがきセット 「禅のことをもっと…」より 撮影・水野克比古氏


先日とある曹洞宗寺院を参拝した時のこと。ボランティアガイドの方がちょうど魚板(魚の形をした木版〈モクハン〉)の前にいた我々に、

「禅宗の修行生活は全てこの鳴らし物の音で進行するんですよ。だからちゃんと聴いて行動しないといけないんです。聞き分けの良い子悪い子と言いますよね?あの言葉はここから来ているんです」。

と教えてくださいました。
語源の真偽のほどはともかくとして、なるほど面白い事を仰るなぁと思いました。

実際、禅宗の修行道場や寺では、様々な鳴らし物の音によって時を報らせ、また日常の号令として使われます。
そのうちのいくつかご紹介します。専門用語については、このページもまたご参照ください。

 

150113-2.jpg天龍寺にて 職員撮影

◆板・木版(はん・もくはん):禅堂の前門に下げられ、日に数度、時を知らせるために打たれる。

◆振鈴(しんれい):禅の老師が参禅室内で用いる。また、起床の時刻を知らせるなどに用いる鈴。

◆引磬(いんきん):坐禅の進行を務める直日(じきじつ)が柝(たく:下記参照)とともに禅堂内で使用し、参禅者を指示するのに用いる。

◆喚鐘(かんしょう):老師からの独参や総参に呼ぶときに鳴らす鐘。通常は朝晩の二度鳴らされる。禅堂内から駆けつけた参禅者は順番を待ち、自分の番になると喚鐘を二つたたいてから老師の部屋に向かう。

◆雲板(うんばん):雲の形に鋳付けた青銅板で、庫裡にあって、僧に粥飯を報ずる鳴らしもの。薬石(夕食)には、雲版の代わりに柝木をもって報らせる。

◆法鼓(ほっく):大きな太鼓。法要、提唱などの出頭の合図として用いられる。

◆析(たく):拍子木のこと。大小二種あって小柝木は禅堂内あるいは飯台座で用いられ、大柝木は庫裏などで用いられる。例えば、薬石の用意ができた時、開浴の時、守夜の時など。

 

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井波別院 瑞泉寺 -富山県南砺市-


150109-1.jpg富山県は南砺市にあります真宗大谷派の井波別院、瑞泉寺を参拝。

150109-3.jpg禅宗寺院の無駄なものは全て廃したかのごとくスッキリした伽藍とはまた違い、豪華絢爛!
山門の木彫の迫力に圧倒されます。

150109-2.jpg使われている木材も、今はもう手に入れる事ができにくくなっているであろう巨木ばかり。山門にしても本堂にしても、その使われ方のスケールが違うのです。
この地方の林業の歴史と、浄土真宗が如何にこの土地で厚く信仰されたのかを、ここに垣間見る事ができます。

150109-5.jpg写真ではこの大きさが伝えられないのが悔しいです・・・。
百聞は一見にしかず!是非富山旅行の際にはご参拝なさってみてください。

150109-4.jpgそして、な、なんと案内表示の看板が、全て木!!! これは初めての体験で興奮してしまいました。美しくて良いものですねぇ…。

門前街は、木彫の職人工房がたくさん。
人々が祈りの場に求める意匠というものがあり、それがひいては文化・技の継承に繋がります。
これは世界中旅して色々と参拝していても、宗教は違えど古今東西変わらぬ事ですね。

150109-6.jpgな、なんと電話ボックスまで!!!!

150109-7.jpg職業柄(というか、個人的趣味ですが)、旅をしていても必ずや寺院参拝ばかりしています。
宗派や地方による特色、職人の技などをこの目で確かめ、その場の気というものを肌で感じるのが私の楽しみの一つでもあります。

 

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寒苦に耐えて咲く

「梅は寒苦に耐えて咲く」

140108-1.jpg禅語にある有名な句でありますが、水仙や臘梅もしかり。
上司の自坊より今年一番に届いた花を生けます。

木々も枯れ落ち葉は踏み敷かれ、色の無くなったかのような庭に、馥郁たる香りを漂わせ咲く花。
年始の雪をもろともせず花開かせるその姿に、可憐ながらも強さを感じ、感動します。
毎年毎年同じ時期に花を咲かせるわけでありますが、毎年毎年出会う度に感動します。そういう力が、人には秘められているのだなぁ・・・と有難くも思います。

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そして、このような厳しい季節に花を咲かせるのだ、私も辛い事もあれど……と、一輪の花に慰さめられつつ、今日も生きています。

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あらためまして...

おはようございます。
昨日は所長より新年の御挨拶をさせていただきましたが、あらためまして、本年も宜しくお願い致します。

昨日より通常業務を開始致しておりまして、お休み中にいただきました書籍のご注文なども順に発送させていただいておりますので、いましばらくお待ちくださいませ。

150107-1.jpg

さて、お正月、京都では例年に無い雪景色となりまして、未だ寒さで雪が残っている屋根やお庭もちらほら。
京都御苑を訪れてみますと、「こ、こんな大きな枝が!!!」というような枝が折れて落ちているのでした。
吹きっさらしの断崖絶壁などに生えている松は強いはずですが、やはり雅な所に生えている松は弱いのだな…などと思ったり。人間も同じですね。

150107-2.jpg大好きな銀杏の大木は全く折れた枝も無く、一安心。友人に話しますと、銀杏はまな板にもよく使われるし、水気に強いんじゃないか?!との由。
確かに、寺社によく植えられるのも、水気を含んでいて火事の時に火消し役となりうるとの事でしたね。

150107-3.jpgちなみに、私の大好きなこのあたりのふかふか落ち葉。雨くらいではびくともしませんが、さすがに雪がつもり下敷きになってしまうと、ぺったんこに……。

人々に様々な思いを残していった、お正月の雪模様でした。

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所長・西村惠信より皆さまへ


150106.jpg明けましておめでとうございます。皆さんにはお元気で、新しきよき年をお迎えのことと思います。

今年もまた当研究所のブログをご覧いただく皆様に対して、何らかのお役に立ちたいものと、所員一同思いを新たにしているところです。因みに昨年はわが研究所の設立50周年に当り、いささかの記念式と祝宴を開催しました。
そして今また新しく、更なる半世紀の歩みの緒に就いたばかりであります。今後も皆様方から倍旧のご後援を頂きますよう、衷心よりお願い申し上げる次第であります。

禅宗では年頭の書簡に、「開暦祥瑞、千里同風」などと書くのが習いとなっています。いまこの地球上のどこのお家も、新しい年のカレンダー掛けて、気分を一新されていることでしょう。そう言えば昨年末、台湾の国立師範大学における「世界宗教芸術論壇」に招かれ、「禅芸術の本質と形態」と題する基調講演をさせて貰いましたが、やはりあの国のあちこちには、早々と新しいカレンダーが並んでいました。それを眺めて私は、文字通り千里同風の感を得た次第でした。

さて「未」(ヒツジ)という動物がどうして十二支に一つに入ったのか。辞書によりますと、その昔中国の十二宮に、それぞれの獣を充てたのにもとづくとあります。また「未」に通じる「羊」という字は、この動物が正面を向いているときの象形文字ですが、それの熟語を見ると、どれもあまり目出たいとは言えない意味ばかりですね。
それでも「説文」四上に、「羊は祥なり」とありますから、どうやら羊の字も「祥」とか「善」、或いは「翔」という字になると、ようやくめでたい意に用いられるようになるのは、彼らにとってさいわいと言うべきでしょうか。

『謌林拾葉集』五二一によると、神や皇帝の備え物となるため屠殺場へ連れていかれる羊は、自分が一歩々々と死に近づいていくことを知らないはかなさを、世間の無常迅速なるに譬えて、「羊歩」と言うとあります。そうなると羊年の正月こそ、まさに一休さんよろしく「冥土の旅の一里塚」というべきかも知れません。お互いに一歩一歩、脚下を看て進もうではありませんか。

禅文化研究所長 西村惠信

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