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下鴨神社 みたらし祭

 

140731-1.jpgどれだけ罪、穢れを祓っても祓っても・・・。
6月末には自宅近くの神社にて茅の輪をくぐり、半年の罪穢れを祓って無病息災を願い、またまた7月には、下鴨神社のみたらし祭にて、湧き水に足をつける“足つけ神事”。

健やかに長らえる事が如何に困難で、有り難い事であったか、昔の人々の事を思いながら、朝5時半に起床し、行かせていただきました(最終日の29日に参りました)。

140731-2.jpg暑い暑い毎日ですが、どうか皆さま、健やかにお過ごしください。
明日から8月。弊所はご存知僧侶が多い研究所です。変則的な勤務体制になりご迷惑をおかけ致しますが、ご理解の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

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夏期暁天講座 -東福寺-

 

140730-1.jpg下記暁天講座のごあんないです。
来たる8月2・3・4日の三日間、東福寺派本山・大禅堂で行われます。
午前6時より坐禅・6時半より法話とのこと。内容は下記です。

8月2日 「白隠禅画をよむ」
花園大学教授  芳澤 勝弘 氏

8月3日 「禅話」
東福寺僧堂師家
原田 融道 老大師

8月4日 「禅話」
東福寺住持本派
遠藤 楚石 老大師

早朝、涼しいうちの坐禅とお話、是非お運びください。

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今週の花

一日で終わってしまうのでかわいそうか・・・と思いながらも、暑い夏の一輪には木槿の出番が多いこの頃です。

140729-1.jpgそんな中、こちらも大活躍。うちのマンションの空地に群生している山ごぼうです。
田舎の山でよくみかけた記憶があり、おおよそ都会ではみかけないような気がしていたのですが、意外と空地などに群生しているものですね。
今回は短く生けましたが、長い枝をピッチャーなどにわさっと生けても素敵なので気に入っています。緑があるだけで、暑さも少しやわらぎます。

140729-2.jpgさらに、山ごぼうのみならず、珍しい草も!鵯上戸(ヒヨドリジョウゴ)です。有毒だそうですが、実はヒヨドリの好物だそうな。人間が使うには、酢などにつけてからヘルペスが出た時に塗ると効くのだそうですよ。

マンションの溝に生えているとは、ヒヨドリが種を運んできたのでしょうか。
夏になり、花がもたない季節になんとも助かっています。花を生けていると、自身の住んでいる近辺で、普段は気づかないような事にも気づかせてくれます。
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おもいやり

自宅近くの中学校。交通量の多いバス通りに面して建つ街の学校ですが、通行人の目を楽しませるために様々な設えが施されています。

たとえばこんなものなど。

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生徒さん達の手作りの庭。据えられた石の数はちがうけれど、垣根の形から、龍安寺のお庭でしょうか?砂紋も引いてあります!

ほかに色々とお楽しみがありまして、グラウンドの植物に解説プレート(通行人へのサービス?なので、学校側からは見えません!)、ベンチ風に整えられた部分には、「どうぞお座りください」のメッセージなどなど……。

特に南側の道などは第二次大戦の空襲対策で拡幅されたもので、やや殺風景ともいえる実用的な通りなのです。でも、「この学校のお陰でとても安らぎのあるエリアになっているなあ」と歩くたびに思う私。ちょっとした心遣いなど、教わることの多い散歩道です。

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通勤路のたのしみ

毎年のようにご紹介しているかもしれません。
この季節になると必ず出勤前に参拝するお寺があります。

140725-1.jpg立本寺さん(京都市上京区・日蓮宗のお寺です)です。
この花ほど、蕾から花が咲き、枯れゆく姿、枯れた後まで美しい花が他にありましょうや。

140725-2.jpg140725.jpgちょうど雨の後で、葉に残るしずくが玉の如く。季節的には違いますが、禅語の“秋露白如玉”を思いました。

*秋の朝、葉の上の露が玉の如く丸くなっている光景。露は紅葉の上ではあかね色に、青葉の上では緑色に姿を変えます。その露の性質を、無我に徹して自由自在にあらゆる立場に身を置く事のできる理想的な修行者とみている禅語です。

140725-3.jpgこの花を仏様の台座に・・・と考えられたのもわかりますね。ちょうど台座のような形で咲く一輪に遭遇できました。

140725-4.jpg散った花びらにもうっとりしてしまいます。

140725-5.jpg枯れてなお・・・花材にも良いですし、蓮の実納豆にも!!!
先日ご紹介しました黄檗宗萬福寺さんの名物です。なんでも隠元禅師が作り方を日本に伝えられたのだとか。こっくりとした、栗のような豆のような滋味深い味がしますよ。ご参拝の折にはお土産にされると珍しく喜ばれると思います。

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暁天講座 -天龍寺-


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おはようございます。
天龍寺さんにて今週末に開催される暁天講座のおしらせです。

 


第一日目 : 平成26年7月26日(土)
第二日目 : 平成26年7月27日(日)

午前6時 ~ 午前7時 : 坐禅 (天龍寺 大方丈)
午前7時 ~ 午前8時 : 提唱 「夢中問答」
天龍寺 管長 佐々木容道老大師 (天龍寺 大方丈)

◇ 提唱からの参加も可能
◇ 参加費無料



両日共、提唱終了後に素麺のご接待があるようです。かの夢窓国師作庭の曹源池庭園を眺めながらいただけるそうな!

この季節には、臨済宗各派の本山にて、一般参加者を対象にしました講座が開かれておりますので要チェックです!!! 既に終わってしまいました本山もありますが、これから開催される情報はなるべくお伝えできればと思っております。
坐禅にご関心ある方は、是非ともこちらもご覧になってみてください。

 

天龍寺さんの季節の花や法要の美しい写真がアップされているツイッターもご覧になってみてください。

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常照皇寺 -京北-

京都市内ではありますが、中心部からおよそ1時間ほど車を走らせた所にあります、常照皇寺(じょうしょうこうじ・臨済宗天龍寺派)を参拝してきました。

140723-1.jpg常照皇寺といえば有名なのが桜。国の天然記念物である「九重桜」、御所から株分けしたといわれる「左近の桜」、一重と八重が一枝に咲く「御車返しの桜」などの名木が揃い、桜の時期には参拝客も多いのだとか。この日参拝してきた事を近くに住む方に伝えると、「今行っても何も無かったでしょ~」と・・・・・・。

140723-2.jpg良きお寺というのは、花や錦が無かろうが良いものです。ちょうど雨上がりの空気が浄められた時に寺に着き、訪れる人もまばらで静寂な境内を心ゆくまで堪能できました。

140723-4.jpgここ常照皇寺は、光厳(こうごん)法皇によって貞治(じょうじ)元年(1362年)に開かれ、歴代天皇の帰依を得た皇室ゆかりの寺です。詫びた山中にあって、伽藍も庭も、その瀟洒なたたずまいは興味深いものでした。

140723-3.jpg天皇は周辺の自然を庭に見立て、寺の裏山を猿帰嶂、滝を白玉泉、山全体を万樹林と名付け、周囲の十勝を選ばれたという言い伝えがあるのだとか。当時からの変遷はいかばかりか想像もつきませんが、山の麓にある境内一帯の環境はおそらくは当時を彷彿させるものがあり、山と一体になった庭を見ていると、時間がたつのも感じなくなるかのよう。

140723-5.jpgこのお庭、下のように、茅葺き屋根の方丈から見る事ができます。そしてなんとご本尊の釈迦如来立像は、方丈の天井近くの鴨居上の仏壇に祀られ、我々を見守ってくださっています。

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そして、怡雲庵(いうんあん・開山堂)。
釈迦三尊に加え、来迎の阿弥陀三尊が16羅漢と共に祀られています。阿弥陀様の脇侍仏は美しい雲坐に乗り、それは美しいお顔をされていて、是非とも直に拝みたいと思っていたのが、この日叶いました。
さらに、お堂の奥には落飾後の光厳法皇の坐像が鎮座。生きてらっしゃるかのような気配をどうしても感じてしまい、言葉を失いました。

140723-8.jpg最後に、裏山の自然道へ。このような景色が広がっていましたよ。ただ、雨あがりの後は滑りますのと、身体を温める為か、まむしが!出てきていましたので、要注意でした。

常照皇寺。どの季節の参拝でもお勧めします。

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そうだ 京都、行こう。


140722.jpg関西人は意外と「そうだ 京都、行こう。」のポスターを見る機会が少ないのではないでしょうか?!
特にテレビも見ない私にとっては(宣伝では流れているのでしょうか?)、新幹線に乗る時くらいしか見る機会がありません。なんと今年の夏は、萬福寺さんではないですか!先日新幹線ホームでみかけて、とても嬉しく思いました。
黄檗山萬福寺といえば、禅宗の一つ、黄檗宗の本山です。研究所もいつもお世話になっております。
中国風の伽藍が皆さまには珍しく、興味を持たれるのではないでしょうか。是非お参りなさってみてください。

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腰骨を立てよう!

円覚寺派管長・横田南嶺老師からこのような御本、『元気いっぱい立腰の子ら』を頂戴しました。

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森信三先生と仰って、西田幾多郎先生(1870-1945/日本を代表する哲学者・京都大学名誉教授)のお弟子さんにあたる哲学者・教育者の先生が提唱した「立腰教育」。その、子ども達に向けた本で、大阪の登龍館さんから刊行されているものです。

森信三先生は、「腰骨を立てることはエネルギーの不尽の源泉を貯えることである。この一事をわが子にしつけ得たら、親としてわが子への最大の贈り物といってよい」(『一日一語』寺田一清先生編より)と仰せになっているのだとか。

140718-2.jpg確かに、幼い頃から腰骨を立てる事ができていたならば、もうそれだけで身心共に盤石といっても過言ではありません。
大人になってから意識するのとではまたちがいます。子供のうちからすることで、意識せずにできるようになり、そのような人間が増えれば、ひいては日本の力となることでしょう。

丹田は、あるといわれども、取って出す事もできなければ、臓器のようにこれと示せるものでもありません。が、腰骨を立てる事により、丹田に力がみなぎりしっかりしてくる事は、見えざるものへの信頼をも生み出すのではないでしょうか。

私の大学時代の恩師も、まさに学生時代に智勝会(相国寺の居士会)で参禅されていましたが、最近では子供達に合気道を教えている関係で、“坐る”という事に着目し、しっかりと坐れる子になるよう指導なさっています。優れた教育者が唱える事は同じなのですね。

最近ではじっと座っていられない、真っ直ぐ座れない子が増えていると耳にしますが、学校の先生方が意識してくだされば有り難いな・・・・・・と思いました。

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岡本太郎記念館 -東京・南青山-

 

140717-1.jpgこの界隈を訪れると、どうしてもふらふらと根津美術館に引き寄せられてしまう私ですが、今回は気になる存在であった「岡本太郎記念館」を訪れました。

140717-2.jpg岡本太郎といえば、関西人にはかの“太陽の塔”で馴染み深いわけですが、私の場合は実家にありました岡本かの子の『観音経を語る』・『仏教聖典を語る』を家人が熱心に読んでいた事から、どちらかというと「岡本かの子の息子」という目線で、なんとも興味深い親子だなと思っておりました。

140717-3.jpg元々、岡本太郎の住まい兼アトリエだったお家が、現在は記念館となっています。
「理解する」などということは飛び越えて、岡本太郎が死してなお発する波動を感ずるような世界が広がっていました。
こちらのお庭で1955年に開催された「実験茶会」の記録では、裃に身を包みお茶を点てられるお姿が。亭主が亭主なら、客も名だたる方々。即興連歌も詠まれたようで、なんとも興味深い茶会なのでした。

140717-6.jpg帰りにショップをのぞき、序文からほとばしるパッションに魅せられてしまい求めました。
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世界をこの眼で見ぬきたい。
眼にふれ、手にさわる、すべてに猛烈に働きかけ、
体当たりする。
ひろく、積極的な人間像を自分自身につかむために。
純粋な衝動である。
そんな情熱が激しく噴出するとき、それは憤りの相を呈する。
だから、私は怒る。また大いに怒らなければならないと思っているのだ。
____________________

日本人の在り方を危惧し、警鐘を鳴らしてくださった太郎先生の著作、『美しく怒れ』  (角川oneテーマ21)の、“はじめに”より。

日本人のアイデンティティの確立、自己をみつめる為に、大いに手助けとなり得る本かと思いました。どこを読んでも美しい怒りに溢れる本。記念館と共にお勧めします。

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お見苦しい写真で失礼致します

 

140716.jpgこれは約2年前、引越しを目前に控えた我が家の写真。

前の家には約7年住まいましたが、それでも荷物は少ないと自負していた私(掃除機も無くて、ご覧の通りシュロ箒です)。なのに、いざ梱包してみると、こんなに積み上がってしまったダンボールに愕然としてしまったことが思い出されます。

9年前に親元を出た時、おおかたの物は処分してダンボール数箱の荷物で新生活を始めたはずなのにと衝撃でした。身軽なつもりでいても、知らず知らずに色々なものをため込んでしまうものなのですね。ものすごく陳腐なことを書いているような気がしますが、それでも「持たずにいることの難しさ」を改めて考えてしまうこの写真、ずっと削除できずにおります。

そして、当分引越しは結構です(笑)

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久松真一記念館 再訪


140715-1.jpg6月に開催の禅と文化の旅にてお邪魔しました、岐阜市の久松真一記念館。禅と文化の旅の折には時間の制約がありましたので、今度はゆっくり堪能したく、再訪して参りました。

禅と文化の旅の時はどくだみの季節。今回は半夏生が我々をお玄関で出迎えてくれました。

前回とは違うお軸をかけていただき、貸し切りの状態で友人3人とゆっくり、お床や茶室や書斎、先生のお父上が作られたという職人顔負けの茶器や仏像なども心ゆくまで拝見。館長の久松定昭さんともゆっくりお話させていただき、充実の滞在となりました。

近頃では、裏千家関連の冊子に久松先生の特集が組まれた為、お茶人さんの訪問が多いのだとか。茶の湯を学ぶ者に、先生の禅風はどのようにうつることでしょう。先生が生きておられたら、私の茶に対する姿勢をどう仰るだろう・・・考えている時点で一刀両断されそうですが、そのような事を意識しつつ、私も茶の湯の道を学んでゆきたい所存です。

さて、最後に少しご紹介。
最近友人に勧められて読みました、精神科医・加藤清先生の『この世とあの世の風通し』という本にも、久松先生の禅風と、一種突き抜けた存在であった事が偲ばれる文章が出て参りました。この本については、また詳しくご紹介できればと思っています。

なお、記念館は予約制です。岐阜近辺にゆかれる際には是非お運びください。

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仏教と思想の文化 -龍谷大学ミュージアム-




140714-1.jpgチベットの仏教世界
の展観にお邪魔しましてから、すっかり虜になってしまったこの龍谷ミュージアム。
8月3日(日)まで、「仏教と思想の文化 第Ⅰ期-インドから日本へ-」が開催中です(第Ⅱ期は8月9日から)。
こういう世界(禅文化研究所)にいますと、仏教=お釈迦様は当たり前中の当たり前だと思いがちですが、意外にも若者のみならず、お歳を召された方にも「あれ、禅宗も仏教だし、あれでしょ、元はお釈迦さんなわけ?」と自信なさげに聞かれたりする事があります。
インドでお生まれになったお釈迦様という偉大な覚者の教えが、長い年月をかけて伝播し、土着の信仰と結びついたり混じったりしつつ日本へもやってきて、そしてまた様々な宗派が生まれました。

そんな、インドからの仏教の流れを知る絶好の機会ではないでしょうか。

2階展示室では、アジアの仏教を大きな柱として、「仏教とは」「釈尊の教えとその継承」「大乗仏教とガンダーラ・西域」「中国の仏教」、さらに3階展示室では、「仏教伝来」「国家と仏教」「仏教文化の円熟と日本的展開」の3章で日本の仏教を紹介されていました。

さらに、日本の信仰において特徴的ともいえる、“神仏習合”の例を見るべく、「日本の神とほとけ」の展観もなさっておられました。非常にわかりやすく充実した展観。お勧めします。

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平林寺の庭

 

 

140711-1.jpg野火止平林寺さんのご紹介が続きます。今回は立派なお庭です。
そもそも禅の庭は、修行僧達のものでありまして・・・。雲水さんが修行される僧堂内にありますので一般拝観はなさっていませんが、法要でいらっしゃる方達の、お庭をご覧になられる際の感嘆の声を聞きつつ、仕事をさせていただいておりました。

140711-2.jpg約千坪!の地泉回遊式庭園。江戸中期の作庭と伝えられ、県の「名勝」にも指定されているそうです。
新しく石組みがなされている箇所は、前住職の野々村玄龍老師の指示により作られたのだとか。ダイナミックな大きな流れを感じる事ができます。

140711-3.jpg度々ご住職が作庭に関わられたお庭を拝見する機会に恵まれますが、どのお庭もご住職そのもの。そして、ここが禅宗の庭の一つの大きな特徴ではないかと思えるのが、ご自身が掃除(作務)をなさる為、掃除のしやすい庭である事も大きなポイントなのだそうです。

140711-4.jpg我々一般人が書院などから眺めているのみでは何とも想像しにくいものですが、実際に庭に下りて掃除をしようものなら、その大変さはいかほどか・・・。庭が美しく保たれているその裏には、日々の手入れがある事を忘れてはならないと思いました。

140711-5.jpg以前、とある寺院にお邪魔しました時にも、「あれ、老師がいらっしゃらない・・・」と思っていると、お庭に麦わら帽子で掃除をする人が・・・。庭師かお手伝いの方かな?!と思っていると、その方が振り返られて「おはよう!」と。まさに老師なのでありました。こちらは勝手に「老師様がそんなことを?!」と思うわけでありますが、長年修行をされて来られた方や、禅僧にとっては当たり前の朝飯前でしょうか。禅僧のあるべき良きお姿を拝見させていただきました。

140711-6.jpg禅の庭をご覧になる時は、全てがそうではないかもしれませんが、雲水や僧侶達の修行の為のものである事、お庭を掃除する禅僧の姿なども想い浮かべてみると、また違った見方もできて興味深いものです。
夏椿は、散っても掃除せずに、少しの間だ眺めていたいものですね。彼らもそう思っているのでしょうか・・・・・・。

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平林寺の花

 

 

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昨日ご紹介しました、野火止平林寺。境内でみつけた花たちです。雨あがりでイキイキしていました。まずは擬宝珠の花(上・下写真)。

140710-2.jpg140710-3.jpg山紫陽花。楚々とした風情が美しく、茶花によく使われます。

140710-4.jpg立派な夏椿の木があり、周りには落ちた花が。

140710-5.jpgピントが合っていませんが、ねじ花です。別名、もぢずり。

140710-6.jpg秋海棠も咲きかけていました。お寺には、茶花として生けられるような花が豊富。お庭をめぐっていても飽きるという事がありません。寺院参拝の折には、花にも注目してみてくださいね。

140710-7.jpgおまけ。この子達は毎日庭に遊びに来ているようでした。このお庭を遊び場にとは、センスが良いですねぇ。毎日会っていれば、手から餌でも食べるようになるのではないか?!と思いつつ、彼らの行動を目で追い、楽しませてもらいました。

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平林寺 -埼玉県野火止-


140709-1.jpg埼玉県新座市は野火止にあります平林寺さんに、宝物調査でお邪魔していました。
境内の林が国指定天然記念物に指定されているとの事ですが、その広大な敷地に、入り口すらわからずうろうろしてしまいました。

140709-2.jpg平林寺は、修行僧が修行をする僧堂でもありますので、参拝できる範囲は限られていますが、立派な伽藍を見つつ、広大な林を散歩するだけでも心洗われる事と思います。
現在は青もみじが楽しめますが、秋の紅葉の素晴らしさはいかばかりか・・・・・・と思いました。

140709-3.jpg140709-4.jpg上写真でご紹介した所は、参拝&散策可能です。

歌によく読まれた“武蔵野”。現在は家が建ち並び昔の風情は無くなっていますが、平林寺さんに参りますと、昔の武蔵野の雰囲気を味わえるかのよう。
茶道の稽古でお床にかかる軸にある歌を思い出し、なるほどと思いました。

茶の道は 辿るに広し 武蔵野の 奥ぞゆかしき 月のすむなり

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「臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱」記念講演会 ご報告

 

140708-1.jpg臨済禅師1150年・白隠禅師250年大遠諱の事業として開催予定の「大坐禅会(平成28年に予定)」のプレ・イベントとなる、第一回目の講演会のご報告です。

「What is Zen? ―禅ってなに?― 臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱」記念講演会と題しまして、去る6月27日(金)に、東京有楽町よみうりホールにて行なわれました。

以前からブログではご紹介しておりましたが、初回プレ・イベントとしてはとても好評で、1100席のホールに1000名近くの来場者があったことに、我々主催者側も驚きでした。
お足下の悪い中ご来場いただきました皆さま、誠にありがとうございました。皆さまそれぞれに何か少しでも掴んで帰っていただけたのでしたら、幸いです。

140708-2.jpg皆さまとご一緒に、延命十句観音経を唱えました

また、このイベントの為にご尽力いただきました皆さまのおかげで、無事円成致しましたこと、改めてあらゆる人の善意によって支えられている事を実感し、人の心の寛大さ(禅)を感じることができました。
不慣れなことで不行き届きの点が多々ございましたことを、心よりお詫び申し上げます。

140708-3.jpg全生庵住職・平井正修師による椅子坐禅の指導

これから平成28年の大坐禅会に向けて、こうしたイベントを開催、広報いたしますので、一人でも多くの方に禅の教えを知って頂くと共に、今後の取り組みにもご厚志をいただければ幸いです。

140708-4.jpg横田南嶺老師・姜尚中氏・佐々木閑氏の鼎談

なお、この講演会の詳細は、季刊『禅文化』234号・235号にてご紹介する予定です。こちらもまたご案内させていただきますので、どうぞよろしくお願い致します。

次回は、少し先になりますが、11月11日(火)に、同じくよみうりホールにて臨済会主催の「禅をきく講演会」が、遠諱事業の一環として開催予定されていますので、多数ご参加頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

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禅文化研究所『研究紀要』

 

140707.jpg 紀要データのダウンロードはHP内の上写真のページからどうぞ


弊所の定期刊行物として、季刊『禅文化』をたびたびご紹介させていただいておりますが、このほか、約1年半毎に発行しているのが研究紀要です。

これまではご希望者に有償で販売しておりましたが、最新号の第32号からは弊所ホームページにて全文無料でお読みいただけるようになっております。

より多くの方に知っていただきたく、ご案内申し上げます。宜しくお願い致します。

 

 

 

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猩々筆記


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昔むかし、中国に猩々という、人間によく似た動物がおった。
猩々は、それはそれはお酒が好物で、そのうえ、人間がはいている靴にめっぽうあこがれていた。
そんな猩々なのだが、その毛はたいそう立派で、人間は、その毛で筆を作るのが自慢であった。
そこで人間は、猩々があらわれそうな所に酒を置いてつかまえようとする。猩々は何人かで山をおりてきて酒をみつける。かしこい方の猩々は、

「これは人間がしかけたワナだ」

と言って注意するが、あまりかしこくない方の猩々たちは、

「ちょっとなめるぐらいならよかんべ」

と、ひとなめしてしまう。そうすると、ひとなめがふたなめ、ふたなめからはみさかいなく呑んでしまい、もうヘベレケになってしまう。

「おお、ここに靴があるぞ」

と、あこがれの靴をはいたのはいいものの、すぐにスッテンコロンと引っ繰り返ってしまい、そのはてには酔いつぶれて寝てしまう。

しめしめと、人間は猩々の毛を刈り取って、最高級品の筆にしてしまうのであるが、猩々の命まではとらない。それは、猩々がなんともにくめなく、可愛らしいからである。
酔いから覚めた猩々は、まるはだかで山に帰って行く。

そして、筆掛けにつるされた猩々が、となりの猩々に言うのだ、

「もう酒は呑まんとこうな」と。

そんな猩々に、私はなりたい。

〈職員による創作物語です〉

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かやぶき美術館 -京都府美山町-

 

140703-1.jpg先日はかやぶきの里の小さな藍美術館をご紹介しましたが、今回ご紹介しますのは、かやぶきのお宅が並ぶかやぶきの里からは少し離れた所にあります、かやぶき美術館です。

140703-2.jpgみんなで花を摘みにでかけます

かやぶきの里では、茅葺き屋根が並ぶ姿には感激しましたが、幾分観光地化されており、しかもバイク好きの方が団体でいらっしゃる為、静かな山あいの里・・・というよりも騒がしく(日によるでしょうが・・・)、私はこちらのかやぶき美術館の辺りの静かな、日本の原風景が残り、観光客もまばら・・・という雰囲気の方が好ましく思えました。

140703-3.jpg私が摘んだ花は、研究所に飾りました

かやぶき美術館での土楽さんの展覧会に合わせて開催されました、当主・福森雅武氏による花の会は、学ぶところ多々。お隣にある資料館からお借りした日常の道具類が、先生の感性によって立派な花器へと変貌。花が生けられると、途端に息を吹き返したかのようでした。
かやぶき美術館での土楽窯展は、7月13日まで。
さらに、7月25、26、27日は伊賀にて陶器祭が開催され、土楽さんも出店されるそうです。美しい日々のくらしの道具を見に、是非お運びください。

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永保寺 ー岐阜県多治見市ー

 

140702-1.jpg岐阜県は多治見市にあります、臨済宗南禅寺派の永保寺さんを参拝しました。
永保寺さんは個人的に何度かお邪魔しておりますのと、お庭や伽藍の素晴らしさから、皆さまにも是非ご参拝いただきたく、禅と文化の旅でもお邪魔させていただきました、私にとってなじみ深いお寺です。

140702-2.jpg今年は5月中旬にも多治見を訪れましたが、毛虫が大量発生しており、傘をささずにはいられないほどに毛虫だらけ・・・。上から、下まで、毛虫の世界でした。
もちろん永保寺さんも毛虫にとっては天国。。。 この時の景色をまた見ようと山を登りましたが、歩みを進めると多くの蛾が飛び立ち、まだ蛾になっていない毛虫が足下にもたくさん・・・。なかなかに大変な道のりでした。
毛虫に食べ尽くされて、6月だというのに全く葉っぱの無くなってしまった冬の枯れ木のようなありさまの木の痛々しい事・・・。かといって毛虫が悪いわけでもなく。
異常気象や、こういった異常発生など自然現象の原因は、全て人間にあるような気がしますので、なんとなく苦々しい気持ちでした。

140702-3.jpgそれでも、登ってゆくとこの景色。こちらは僧堂でもありますので、修行された雲水さんの中には、恐らくこちらで坐禅などを組まれた方もいるのであろうと、清々しい気持ちになりました。

永保寺さんでは結婚式もされているようですが、“結婚式会場”としてどれだけお金をかけて豪勢に作られた施設よりも、私はこちらの“ほんもの”の建造物、大寺院として選ばれた、土地のエネルギーが高い場所での方が良いなと思います。宣伝をと思ったわけでもないのですが、お近くの方はいかがでしょうか。

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「蓮-清らかな東アジアのやきもの」 -東洋陶磁美術館-

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先日少し書かせていただいた、“藍”もそうですが、この花も世界中、特にアジア諸国で象徴的な存在とされています。
東洋陶磁美術館にて開催中の「蓮-清らかな東アジアのやきもの×写真家・六田知弘の眼」を観てきました。

仏教で、泥の中より美しい花を咲かすという事でよく説法などにも登場したり、身近なところで言えばお盆のお仏壇やお墓の花にはいつもより特別に豪華に蓮の花が加わったり、物心つく以前からもう「特別」な感じのするこの花ですが、先入観無しに観ても、惹かれない人がいようはずもないであろうと思えるわけです。

ギリシア神話などでは、人間を誘惑する物の象徴、エジプトでは再生の象徴(蓮と睡蓮を厳密に分けないようですが・・・)のように書かれているそうな。
とにもかくにも、国や宗教によっての解釈は色々あれど、我々を惹き付けてやまない花である事は世界共通であるようです。

そんな花のモチーフが描かれた東アジアの器ばかりを鑑賞できるこの展観。陶磁器に描かれた蓮を見るだけで、もう頭には、「あの時に見たかの美しい蓮・・・」というのが想像できています。
ので、あえて写真展も一緒にする必要性があるだろうか・・・と個人的には思いました。今月27日(日)まで。

140701-1.jpg蓮の原産はインドとされているようですが、私の場合二度のインド滞在では、蓮よりも様々な種類の睡蓮をよく見かけました。
全く話が変わるのですが、この花を見ていると、黒田清子さんのお印が未草だったなぁ・・・・・・と、彼女のご結婚の際の立ち居振る舞いの美しさを思い出すのでした。

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