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別れと始まりの日


140331.jpg3月最終日。別れの季節。
本日、我々の大切な大切な仲間が一人、長きに亘る職務を全うし、研究所を去ります。

誰からも慕われ、彼女の部屋が人生相談室と化す事もしばしば。常に明るくほがらかで、多くの人がコントロールできない“機嫌”、“本来の自分ではないもの”など、とっくの昔に手放してしまったかのような様子からは、学ぶことばかりの日々でした。

言うまでもなく、禅の世界にも精通し、禅僧や研究者の先生方からも心からの信頼を得ていました。
私自身、まるでアイドルの事を話すかのように老師のお話で一緒に盛り上がったり、人生ままならぬ時など、どれだけ助けていただいたか知れません。

「人は呼吸が深くできてさえいれば、たいがいの事は乗り越えられるものなのよ」。

いつもこの言葉を思い出します。
まるで灯火が消えるかのような寂しさを皆が抱いていますが、これまでのキャリアがこれからまたどう生かされ、花咲くのか、今後の活躍を願ってやみません。
お疲れ様でした!!!!!

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橋杭岩 ―南紀串本―

 

140328-1.jpg無量寺さん参拝の後は、串本といえばこの“橋杭岩”。自然界のなせる妙とでも言いましょうか、奇岩群はおよそ800メートルにも渡り、干潮時には歩いて岩の近くまでゆく事ができます。

140328-2.jpg和歌山らしく、弘法さんの伝説が残っており、沖合の島まで一晩で橋をかける事ができるかどうかの賭けを天の邪鬼が挑み、負けそうになった為、鶏の鳴き声を真似て、弘法大師に朝が来たと勘違いさせて作業をやめさせた・・・その名残がこの橋杭岩だそうな。
弘法さんの伝説は数多く残っていますが、やはり人並み外れたそのお力を示さんが為でしょうか。面白いものですね。

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無量寺 ―南紀串本―

 


140327-1.jpg2011年のMIHO MUSEUMでの展観
を観て以来、いつか必ずや訪れてみたいと思っていました、円山応挙、長沢芦雪ゆかりの寺、南紀串本にある臨済宗東福寺派の無量寺さん。


140327-2.jpg樹齢は?!南国の寺らしく、巨大な蘇鉄です

宝永4年(1707年)の地震による大津波で全壊・流失。その地震と津波より時を経る事79年、天明6年(1786)に、白隠下の文保愚海和尚が、現在の地に本堂再建の悲願を果たされたのだとか。
その再建に際し、かねてより親交のあった円山応挙に本堂の襖絵等の制作を依頼するものの、都で引く手あまたの人気絵師。さらに年齢の事もあり、祝いに障壁画12面を描きましたが、その他の仕事を一番弟子の芦雪に託しました。

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芦雪は、約十ヶ月間の南紀滞在中に、270点余りもの絵を描いたのだとか。MIHO MUSEUMにてその秀作に出会う機会を得たおかげで、実際に串本に足を運び、その土地の太陽や海、山々、大自然の圧倒的な美しさに触れ、芦雪が如何にこちらの寺で自由に創作に励んだのかを伺い知る事ができました。

140327-4.jpg美術館などでこれだと思うものに出会えば、その作品の描かれた土地を訪れると、より深く自分の中に入ってきますね。足を運んでみる事の尊さを、改めて感慨深く思ったのでした。

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元禅文化研究所所長 山田宗敏和尚七回忌法要

 

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昨日、禅文化研究所の元所長の山田宗敏和尚の七回忌法要が勤修され、一休さんの住まわれていたことで知られる大徳寺塔頭真珠庵へ、現所長以下4名が法要に出頭してきました。
大徳寺派管長嶺雲室高田明浦老大師、永源寺派管長槐安窟道前慈明老大師をはじめ山内塔頭の和尚方や我々のような有縁の和尚方約50名、ご親戚や有縁の在家の方も約50名参列され、現真珠庵和尚を導師に楞厳呪一巻を行道してお唱えし、報恩謝徳のご回向がなされました。
私は臨済宗妙心寺派の僧侶ですので、大徳寺派とは同じ臨済宗でも近い派ではあるのですが、楞厳呪の挙経の節回しや、行道の仕方も少し異なったり、妙心寺派では回向のあとに出頭している和尚全員で三拝をしたりするのですが、それがなかったりで、派によってこうも違うのだなぁと実感しました。

赤膳にのった精進料理をいただく斎座の時も出頭衣そのままで食べるというのも、妙心寺派ではしないので、汁をこぼして法衣を汚さないようにと、意外に気をつかう斎会となりました。

山田宗敏元所長は、大正9年岐阜県に生まれられ、妙心寺僧堂にて修行されました。
花園大学卒、龍谷大学文学部卒の後、学徒動員で出征を経て、昭和26年大徳寺塔頭真珠庵住職となられました。大徳寺派宗務総長を経て、平成6年4月より禅文化研究所所長に就任、平成11年3月までお世話になりました。
平成20年3月25日に遷化されたのがついこの前のことのようです。著書に、「禅at大徳寺」(講談社、共著)、「大徳寺と禅」(淡交社、共著)、「資料 大徳寺の歴史」(毎日新聞社)、「大徳寺と一休」(禅文化研究所)などがあります。

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南方熊楠記念館 ―南紀白浜―

 

140325-1.jpg2月にお仕事でお邪魔した際に、次に和歌山におもむく際には必ずや訪れようと思っていた南方熊楠記念館へ。
熊楠先生については、私の父祖の地が田辺市である為に親からたびたび聞かされつつ育ち、幼い頃に記念館に訪れていたものの、田中神社の合祀反対運動についてを知り、いま一度この和歌山が生んだ稀有な存在をみつめたいと思ったわけです。
記念館に入り、なにやら熊楠先生ファンのようなおじさま方が「どんな人、何してた人って聞かれると困っちゃうんだよねぇ」と談笑・・・。確かに、あらゆる分野に精通しすぎていて、彼を一言で説明できるような言葉など存在しません(一応、民俗学者・生物学者となっていますが・・・)。


神社の合祀反対運動にしてもそうですが、もう随分昔から、この世界の自然破壊に警鐘を鳴らし続けていらっしゃいました。一体自然界で何が起きていて、今後どうなってゆくのか、全てを見通していらっしゃったのかもしれません。
粘菌類などの小さな小さな世界をみつつ、広い世界を観ていた熊楠先生。原子力発電について、先生が生きていらっしゃったら何と仰るのか・・・など考えつつ、今後の自然と人間の共存についてのヒントが隠されている気がして、もっと広く熊楠先生についてを世の人々に知ってもらいたいと思った次第です。

140325-2.jpg昭和4年(1929年)6月1日には、保護に努めた神島(かしま)にて昭和天皇へ粘菌学などを進講、その際に変形菌の標本をキャラメル箱に入れて勧献した事はあまりに有名な話です。
この時の感慨を、熊楠先生は歌に詠んでおられます。

一枝も心して吹け沖つ風 わが天皇(すめらぎ)のめでましし森ぞ

なんと美しい歌でしょう。そして昭和天皇が、昭和37年(1962年)、南紀行幸の折に熊楠を追憶し詠まれた歌が、熊楠記念館に碑となって、日本の、和歌山の生んだ宝ともいえる人物を讃え続けていました。

140325-3.jpg雨にけふる神島を見て 紀伊の国の生みし南方熊楠を思ふ


140325-4.jpg熊楠記念館の屋上より

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「臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱」記念講演会のおしらせ


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お待たせ致しました!
6月27日に有楽町よみうりホールで開催される、「臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱」記念講演会のチケット発売について、さらにポスターとチラシが完成致しましたので下記にご案内させていただきます。

日時 平成年6月27日(金)18:00~20:30(17:00 開場)
場所 よみうりホール(有楽町)東京都千代田区有楽町1-11-1 読売会館7F
出演 横田南嶺老師(円覚寺派管長)
姜 尚中氏(聖学院大学学長)
佐々木 閑氏(花園大学教授)
平井 正修氏(全生庵住職)
入場料 一般1500円、大学・高校生500円 (全自由席)
申込方法 ローソン/ミニストップ店頭「Loppi」で直接購入(Lコード:33889)
インターネット予約 http://l-tike.com/ (PCモバイル共通)
電話予約(24時間受付)0570-084-003(Lコード:33889)




 

 

 

 

 

 

 


チケットは絶賛販売中!です。
各本山や寺院、公共施設等からのポスター・チラシの提示は4月以降となりますが、先に詳しくご覧になりたい方はこちらで是非!

皆さまにおめにかかれますのを心待ちにしております。
是非ご参会の程、宜しくお願い致します。

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午歳の春 ―北村美術館―


140320.jpg“竹花入”といえば、戦場で竹を切って即興で花入れを作り、花を生けた利休さんが有名で、その後掛花入れとして茶室でももてはやされましたが、これを置き専用の花入れとして発案されたのは、宗旦四天王の一人、藤村庸軒だそうです。
そんな庸軒の、置き花入れの本歌とされる“遅馬”のご銘を持つ竹花入れがお目見えする今回の展観(豪快な花入れで圧倒されました)。

北村美術館の展観は、待合のしつらえから濃茶、薄茶の道具と、茶事の流れそのままに道具類を拝見できる為、非常に勉強になります。
良い物がたくさん並ぶ展覧会も魅力的ではありますが、じっくり味わい、わからなかった事を調べたりして向き合うには、これくらいの展示が一番良いと個人的には思い、春と秋の展観には必ず足を運ぶ美術館です。

午歳の春 北村美術館
詳細はこちら

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開山栄西禅師800年遠諱特別展 栄西と建仁寺 ―東京国立博物館―

 

140319.jpg本年、開山栄西禅師の遠諱の正当年を迎えておられます建仁寺さん。
その特別展が、東京国立博物館にて、3月25日(火)より開催されます。今回は巡回は無く、東京のみでの開催の模様。これは期間中に是非とも足を運ばねばなりません。

国宝風神雷神図屏風やその他数々の禅宗最古の寺院の宝物がおめみえ。なかなかに無い機会です。

建仁寺さんでの遠諱行事、こちらの展覧会では、遠諱に因んだ講演会や坐禅会など、さまざまな行事が開催されます。
詳しくは建仁寺公式HPと、東京国立博物館のHPをご覧ください。

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今週の花

 


140318-1.jpg自宅で花を生けてみましたが、せっかく咲いた花を摘んで、自然から恵みをいただいたからにはたくさんの人に見てもらおう・・・と、研究所に持参し、生けています。
上写真は、伊賀の土楽さんのお庭でいただいてきたお花。梅も椿も良い枝ぶりで、どの枝をいただこうかとワクワクします。地面を見ればぽこっ、ぽこっと、フキノトウが。

140318-2.jpgそして今朝、自宅のベランダでは小さな水仙が花を咲かせました。小さく可憐ながら、目を引く黄色で存在感アピールです。

140318-3.jpg無文老師には、上司が自坊より持ってきてくれた椿を。

140318-4.jpg応接室には、これも上司の自坊より、山茱萸と椿。香合はさぬき一刀彫の達磨さんです。
冬から春にかけて季節が移ろう時期の花を、存分に楽しませてもらっています。

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春のおとずれ

140317-1.jpg古都奈良に春を告げるお水取り。東大寺で行なわれる十一面観音悔過の行も先週終わりましたね。いよいよ春がやってきます。

奈良がお水取りなれば、私の実家があります兵庫県では、春を告げるのはいかなごの釘煮であります。
他府県の方からすれば驚きでしょうが、新鮮さが命、しかも日に日にいかなごは大きくなってしまいますので、時間との勝負です。毎日スーパーに届けられるいかなごを予約し、炊いては買いに走りを繰り返します。釘煮作りに没頭するお母さんが続出するこの時期ならではの風物詩、伝統行事とも言える、“いかなごの釘煮炊き”なのです。

140317-2.jpg特別な寺社で行なわれる大層なものなどでは決してありませんが、各家庭にて季節の恵みを大いに感じ、受け取る、これも一つ、兵庫県民にとっては列記とした春を告げる行事なのです。

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恵林寺宝物調査


140314-1.jpg既に2月末の話となってしまいましたが・・・・・・。

山梨県の恵林寺さんに宝物調査でお邪魔しました。大雪の後でしたのでどうなることかと思いましたが、道路の雪は解け、無事にたどり着き、調査を終える事ができました。
いつもの雪の風情・・・というものからはほど遠い観測史上最多となる積雪にみまわれ、参拝も中止、近くの葡萄園のビニールハウスも倒壊したりと被害が出たようでした。果樹たちも大雪にびっくりした事でしょうが、昨年来た時のような実りをどうか今年も見せてくれるよう願わずにはいられませんでした。

140314-2.jpg美しい庭をすっぽりかくしてしまうほどの雪は、我々に降り積もる煩悩の多さを思いおこさせました。

140314-3.jpg今年の秋頃には、花園大学歴史博物館にて、研究所と共催で『恵林寺展』が開催できるかと存じます。またご案内させていただきます。

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東福寺涅槃会のごあんない


140313.jpg東福寺さんにて、涅槃会の法要が執り行われます。特筆すべきは明兆作の大涅槃図が公開される事!!!皆さま必見です。
美術館でガラスケースごしに拝見するのではなく、実際の法要、儀式でどのように軸が使われているのかをご覧いただきたいものです。

さらに、国宝三門と龍吟庵も特別公開、方丈では寺宝展が開催中。
私も昨年お邪魔してきましたが、臨済宗本山でも随一の伽藍を誇る東福寺さんだけあって、三門も圧巻でした。係の方のお話も非常に詳しく面白く、ご関心無い方にもきっと興味深く参拝いただける事と存じます。
詳しくは東福寺公式サイトをご覧ください。

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道教・仏教と人物の書画 ―澄懐堂美術館―

 

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三重県は四日市にあります澄懐堂美術館にて、「道教・仏教と人物の書画」が開催中。
なかなかに希な展覧会です。詳細はサイトにてご確認ください。
私もまだ訪れた事の無い美術館ですが、今後注目していたいと思っています。

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静寂

 

140311-1.jpg何ヶ月かに一度だけでも、大自然の中に身を置きたいと思っています。
以前訪れました長野の友人宅に、雪の中の静寂を求めてお邪魔してきました。

2~3キロ先までは人が住んでいない山の中。友人たちと自分の気配、あとはログハウスの餌場にやってくる小さな鳥のみが動きを感じる存在。雪の下にまだ眠っている植物たち、木々も全て葉を落とし、春の芽吹きまで静かに力を蓄えているよう。

140311-2.jpg帰り、山をおりる際に明らかに感じた境界線。人々の気配が急に自分の感覚に飛び込んでくる境界線を感じたのでした。短い滞在でも、深い静寂に包まれた中で過ごすと、人間も自然の一部であるのですから、本来の敏感な感覚を取り戻せるのですね。
天台宗の千日回峰行やその他の行法においても、大自然の中に身を置き、感覚を研ぎ澄ませるのが、如何に色々な物事に気づく為に有効であるのか、少しわかったような気がしました。

この山の中の静寂のイメージを心の奥底に持ち続け、次の大自然とのふれ合いまで、敏感になれた感覚を失わないようにしていたいものです。

本日で、震災より3年の月日が流れました。我々が、自分のくらしや生き方をどうしてゆくのか、どのようにバランスを取るのか、大自然の中で新たにみつめ直す機会をもらえました。
臨済宗黄檗宗の各派寺院においても、本日は追悼の法要が行なわれ、犠牲者の方々の供養と、大自然を汚してしまった事への懺悔、いまだ続く被災地の方々の苦しみが少しでも軽減されるよう、祈りが捧げられています。

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臨済禅師・白隠禅師遠諱関連行事について

 

140310-1.jpg円覚寺の境内には梅の花が咲き誇っていて、春の訪れを感じました。
3月3日(月)、第6回目となる大坐禅会についての会議が円覚寺で執り行なわれました。

本年6月27日に、有楽町にて開催予定の講演会の内容について協議が行なわれ、いよいよ、当日に向けての準備が整ってきています。
平成28年秋に開催される大坐禅会に先駆けて、第1回目の行事として、『禅ってなに?』をテーマに、円覚寺派管長・横田南嶺老師、姜尚中氏(政治学者・東京大学大学院教授)、佐々木閑氏(仏教学者・花園大学教授)にお話いただき、また、椅子に座ったままでできる「イス座禅」の指導も行われます。

今回は主に広報について審議され、ポスターのデザインやチラシの記載内容について検討されました。
できあがり次第ブログにて紹介させていただきますので、楽しみにお待ちいだきますようよろしくお願い致します。

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心の洗濯

 

140307.jpg毎月第4土曜日にとある坐禅会に参加させていただいてます。
坐禅はしてみたいものの、朝6時からの早朝坐禅に参加するまでの気合いがなく調べていたところ、朝9時からの坐禅会がを見つけ、参加するようになり早5回・・・・・・。

毎回20人~25人程お見えでしょうか。
年齢層は結構高く、60歳前後の方が多いようにみうけられます。お話を伺っておりますと、10年ほど通ってるという方もおいでになり、みなさん年季が入っておられます。

坐禅会は朝9時開始で、本堂にてお経を唱えてからご住職の法話があります。今回は「坐水月道場 修空花萬行」という禅語に関しての法話でした。
日々ダラダラと過ごすの私にとっては反省しきりです。

法話が終わるといよいよ坐禅です。ところが、両足があがらず半跏での坐禅・・・・・・。呼吸法の数息観も教わり、格好だけは「坐禅しています!」というふうに見えますが、実際は、肩に力が入ったり、姿勢が悪く猫背になってきたり、外の音や声が気になったりで、なかなか集中することができません。
休憩をはさみ2回坐禅を組みますが、日によって短く感じたり長く感じたりしています。みなさん「始めは皆そうやから気にしないで」とお話下さいますが、いつになっら落ち着くことやら・・・・・・。

坐禅の後はお抹茶をいただきます。ご住職がお茶を点てて下さり、お手製のお茶菓子もいただき、坐禅で固まった気持ちと躰がまったりと解れていきます。

お抹茶をいただいている間に、座敷では几が並べられ写経の時間です。
皆さん慣れておられるので、書かれるスピードの速いこと!
筆を持つのは何十年ぶりの私にとっては、またまた肩に力が入ることになるのです。

写経が終わるのが11時30分頃でしょうか、写経几をかたづけ今度は毛氈を引きます。待望のお食事です!実は坐禅の時にお味噌汁や煮しめの香りが漂ってきて、ますます散漫になってしまうのです。
お食事は精進料理をいただきます。一汁三菜どれも美味しく、お皿が空くと、「おかわりいかが?」と声をかけてくださいますが、「待ってました!」とばかりに遠慮もせずさっと出してしまう。これが太る原因ですね。

お食事はお話しながら、とても良い雰囲気でいただき、先日の坐禅会では「この食事が楽しみで長年通ってます」とお話されている方もおられました。12時過ぎに坐禅会は終了となります。

坐禅会の時だけでなく、家にいる時に少しの時間でも坐禅を組んで気持ちを整える事ができるようにと思っています。

*各地で開催されている坐禅会情報はこちらをご参考に!

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神戸の街を訪れて

140305-1.jpg最近、温暖化による環境の変化で自然災害の話題がメディア等で多く放映されています。
先日、神戸に行く予定があったので時間の合間に神戸港のメリケンパークにある阪神大震災のメモリアルパークに行ってきました。
神戸のお洒落な町並みからは想像もできない爪痕がそのまま残っていて、あらためて震災の恐ろしさと共に復興の喜びを感じました。
そこから眺めた景色と周りの整った景色のギャップには、とても違和感がありました。
ただ、あれだけ賑わいをみせた神戸港も震災直後はその面影もみられませんが、前後際断すればそのままの、震災前に訪れたことのある神戸の港だったというのが率直な感想でした。
過去を振り返ることはもちろん大切なことです。その瞬間に多くの方も亡くなられました。
しかし、そこに立ったときに、思いを巡らせることも大切ですが、生きている限りその瞬間を生き抜くことこそが被災者への慰霊になるのではないかと、景色の懸隔からそんなメッセージを受け取ったような感覚を覚えました。

もうすぐ東日本大震災から3年が経ちますが、今後このような大災害が起こらないことを祈り、日々の生活を大切にしていきたいものです。

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にほひおこせよ梅の花

 

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東風吹かば にほひおこせよ梅の花
あるじなしとて 春を忘るな   菅公


上司が自坊より持ってきてくれました梅の花。馥郁たる香りが研究所に満ちています。
そうするとやはり思い出すこの菅原道真公の歌。

そして上にご紹介しました軸は、『渡唐天神画賛』(禅文化研究所蔵)。昨年もご紹介しましたが、おさらいです。天神が無準師範(ぶじゅんしばん/1177~1249)に参禅したとの中国の伝説が、日本においては菅原道真公が参禅したとされ、掛物にこのように登場するわけです。

皆さんは梅の花、香りから何を思われますか?

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お軸の詳細はWEB墨蹟展にてどうぞ。

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13歳のハローワーク

 

140304.jpg小さい頃に想像した「将来の自分」と「現在の自分」、重なる部分はどれくらいありますか。

少し前の話になりますが、今年の「小学生の人気職業ランキング」が話題となっていました。というのも37位が、なんと「シャーマン」だというのです。

「村上龍 13歳のハローワーク」

残念ながら(?)「僧侶」は圏外です。とはいえ、宗教に興味を持つ小学生が、「アナウンサー」や「パイロット」に憧れる人数より多いとは!?

……なんて。

実際には、アンケートを取ったわけではなくて、アクセス数などを元にしたランキングだそうですね。

それにしても色々なお仕事があるものです。在家出身のお坊さまとお話すると、意外な経歴をお持ちだったりで驚くこともしばしば。法の道を歩まれることになったきっかけなど、機会があればぜひ伺ってみたいです。

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祖師像のいわれ

「開山堂の開山様の木像は、何年に作られたものなのか」という質問が舞い込んだので、少し調べてみた。

この開山堂というのは、妙心寺の微笑庵のことで、その堂内に関山慧玄禅師の木像が安置されている。結論から言えば、この木像は、大永八年(1528)に彫られたものである。開山の遷化が、延文五年(1360)なので、没後約170年に作られたことになる。
よって、山内の衆僧が、誰も開山の尊顔を知らないのは当然である。困ってしまった衆僧はどうしたか。以下、無著道忠の『正法山誌』第一巻「開山尊像」の一文を訓読する。

今、微笑庵の木像、初め彫造の時、面相の拠(よ)る可(べ)き無し。忽(たちま)ち一(ひとり)の老婆有り。一物を袱(つつ)み来たって云(いわ)く、『仏像を買わんと欲(ほつ)せざるや』。衆、之れを取って袱(つつみ)を開いて之れを覧(み)る。一の祖像の面首なり。一衆、之れを買い、以て神授と為(な)す。即ち用いて開山の祖像の面首と為し、肩趺を造り足す。(中略)大永八年。

つまり、一人の老婆が売りに来た、誰のものかも分からない木像の首を買い、それを神からの授かりものと喜んで、これを開山像の首にしたということなのである。まあ何ともいい加減なことだが、誰も開山を見た者はいないのだから、これが現実であろう。

ついでに、あの臨済義玄禅師の形相は、「熱喝瞋拳」のスタイルで描かれるが(臨済禅師・白隠禅師遠諱のポスターにも使われています)、誰も禅師の姿など見たことがないのに、それはどうしてか。これにもいわれがある。

140303.jpg雪竇の持(象田卿公の法嗣)が、径山の大慧宗杲(1089~1163)を訪ね、大慧と雪竇と相与(あいとも)に画工が臨済の像を図(えが)くを観(み)る次(おり)、持、且つ其の本(モデル)を伝えんと欲す。大慧、為に肘(ひじ)を謠氏iかか)げ拳(こぶし)を蜊」(つ)くの勢(すがた)を作(な)さしむ。(中略)其の後、諸方に頂相を画(えが)くこと有れば、顰(ひそみ)に効(なら)って、肘を露(あら)わし拳を握るの状(すがた)を作(な)す」(『雲臥紀談』巻上)と。

祖師がたは沒蹤跡(もっしょうせき)に徹するが、それを形に現わしたいのが法孫のさがであろう。いつの世でもアイドルを求めるのは、変わりがないようである。

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