トップページ » 2012年5月22日

南蛮にひかれて




120522.jpg

元々キリスト教関連のことには関心ある親友が、やけに南蛮南蛮と言って南蛮づいているので私も関心をそそられて、大阪は中津にあります、南蛮文化館と、神戸市立博物館における-南蛮美術の光と影-を訪れました。

訪れる数日前に研究所の資料室でふと目に入った、淡交社の『なごみ』(いつもお送りいただき、誠にありがとうございます)。なんと、ここに南蛮特集が掲載されていたのでした!
さっそく読んでみた所、なんとも面白く…。中でも、「南蛮人の証言」と題して、南蛮人達が日本人や日本文化をどのように思っていたのかを紹介するページが。その中の一つに、

「日本の禅僧は、もっとも理知的で、さかんに論争を挑んだ。それを論破することは容易ではなかった」
コスモ・デ・トルレス(司祭)

と、あったわけです。
「ふふーん、そりゃあそうであろ」と鼻高々(注:私は禅僧ではありません。研究所の一職員、一禅ファンです)になったのですが、ちょっと待てよ…。「容易ではなかった」という事は、その後に「それでも、論破したのであった」が続くのだろうか?と、何となく面白くなかったり……。
と、どうでもいい事をごちゃごちゃと考えている、とてもつまらなく、小さな私なのでした。どちらがどちらを論破したとか、上か下かなんて、どうでもいい事ですね。
いかんせん、ここに禅僧が出て来ているのは非常に興味深い事です!

現在では、禅文化研究所の事業として、禅僧とヨーロッパの修道士・修道女との交流(東西霊性交流)が行なわれています。
変わっているかのようで、実は案外、当時と現在のお互いの印象は、根本的には変わっていなかったりして……と思う私です。

さて、神戸市立博物館での大々的な展観(6/3まで)も素晴らしかったのですが、私は中津にある南蛮文化館をいたく気に入ってしまいました。こちらは5月と11月にしか開館していませんので、どうか皆様お急ぎ下さい!!!5月を見逃すと、お次は11月にしか開館しないのですっ!!
茶を嗜む武将か有力商人茶人のキリシタンが作らせたのでしょう。文化館にあったクルス文様の茶碗などが妙に斬新で古さを全く感じさせない事にいたく感動し、私も窯元の友人にお願いしてクルス文様茶碗を作ってもらい、いつか友人達と南蛮茶会など催したいもの……と、妄想はとどまるところを知らないのでした。

それにしましても、『なごみ』には毎月興味深い情報満載です。以前には、全く知らなかった、愛媛の臥龍山荘をこちらの月刊誌にて知り、お邪魔しました。カラーページも多く、解説もわかりやすく親しみやすい月刊誌です。 オススメします。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)