トップページ » 2012年4月 3日

東北の被災地を訪ねて その3




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慈恩寺様をあとにして、仙台へ向けての帰路につきました。
多くの瓦礫の仕分けをしている重機を見ながら、また陸前高田の海岸近くを走る45号線を走り、気仙沼まで戻りました。
途中、瓦礫の写真や、まだ倒壊したままのビルの写真も多く撮りましたが、やはりここであまり沢山公開するのは、気がとがめます。ですから最小限にしておきたいと思います。でも、撮りながら、こうして自分の目で確かめてみることは大切なことだった、来なければわかったつもりになっているだけだったと考えておりました。

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気仙沼では地福寺様を訪ねました。慈恩寺様と同じく、ここの御住職も妙心寺派の高等布教師をされている和尚さんです。ここは震災の1~2年前に本堂や庫裡の落慶を済まされたばかりでしたが、津波によって流された家屋などによって、かなり痛んだようです。しかし本堂はなんとかすでに修復されておられました。

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地福寺様から海の方を見た景色です。以前は民家が立ち並び、海は見えなかったと聞いています。しかし津波はすべてをかっさらってしまいました。
突然の訪問にも和尚さんから力強いお言葉もいただき、一日も早く地域の復興を果たされるように祈念申し上げるしかありません。

そして気仙沼から南三陸町へ。ここにはあの、防災放送の担当職員だった遠藤未希さんが命の限り避難を叫び続けた防災センターが柱だけになって残っています。まるで原爆ドームのようだと思いました。バスで視察に来られている方もあります。沢山の花が手向けられてありました。

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繰り返しますが、広大な色のない更地が広がっているのです。でもそこに、まるで春になれば草が芽を出すように小さな小さな仮設の商店が、色とりどりの旗をはためかせて建ちだしているのを見ると、人間の営みの力強さを感じます。
最近、南三陸町には仮設の商店が立ち並ぶ、「南三陸さんさん商店街」という商店街もできたときき訪ねました。私たちも立ち寄って食事をとり、些少ながらお土産を買わせていただいた次第です。とっても大きなめかぶが販売されていましたので、その夜、帰宅していただきましたが、それは歯ごたえのあるとても美味しいめかぶでした。
さんさん商店街の人たちはみんな活気があり、ここでもかえってこちらが力をいただいたような気になりました。

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帰路に松島瑞巌寺にも寄りました。ここが大きな被害にならなかったのは、今にしても不思議でなりません。

今回の短い旅の間に、何人かから、たとえボランティアでなくてもいいので、こちらに来て被災地をみて欲しいとお聞きしました。
まだ現地を訪ねていない方、あまり日程も取れないし何もボランティアもできそうにないしと思われている方、あるいは物見遊山みたいで気が引けると考えている方。私も実はそうでした。それでも現地を訪ねて、自分の目で見てみた方がいいと今回あらためて確信しました。
2日間でもこれだけまわれます。そしてわずかな経済効果でもお手伝いしてみませんか。

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by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)