トップページ » 2011年3月30日

食べ物の来し方

自分の口から直接入り、身体や心を作る食べ物。
食品の安全性などについては度々ニュースにとりあげられて来ましたが、皆様はどのくらい意識されていますでしょうか。神経質に頑なに拘るわけではありませんが、私は常に意識は向けています。

少し話は違うかもしれませんが……。
私の祖父は禅僧で、父は寺を継いでいませんので、私はお寺育ちではありません。

ある日両親が、祖父が書き残したものだという墨書きの古い手紙のようなものを、仏壇の奥から出して見せてくれました。
そこには、寺で育った父やその姉妹達に向けて、檀家さんや近隣の農家の方々からの御恩によって育てられた事への感謝を、常々、一生、忘れてはならないと書かれていました。

有難くも、御縁をいただき今私は研究所で働かせていただいていますが、一人暮らしの和尚さんの寺にあがるお供えのお米のお裾分けをいただいています。
その和尚さんからは、近隣の農家のおじいちゃんやおばあちゃんのお話をよく聞いています。「お寺近くの、あの方達が作って下さったお米なんだなぁ」と、お米を炊く度に、いただく度に想像できて、温かい思いが心に広がります。
そして、私も父同様、お寺にあがったお布施からおすそ分けをいただいて命を養われている事にとても感謝し、御縁を感じ、祖父が伝えたかった事を身に染みてわかるようになりました。

たまたま私は生産者の事が想像しやすいお米をいただいていますが、その他スーパーで買うものにしても何にしても、それらを育んだ自然の恵みや作り手の思いなどを忘れぬよう、感謝していただきたいと思います。

「いただきます」を言わないという事は、言語道断だと思っています。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)