トップページ » 2010年10月29日

特別展樂吉左衞門還暦記念Ⅰ -樂美術館-




101029.jpg

こちらのブログではもうおなじみ、京都市上京区にあります樂美術館
12月12日まで、【特別展樂吉左衞門還暦記念Ⅰ】が開催されています。

樂家は、当代で15代を数え、代々樂焼を一子相伝にてつくり続ける家ですが、そのような家に生まれ、仕事をするようになってから、還暦を迎えるまでの折々の思い出深い茶碗が、ご本人の解説付きで楽しめ、当代の来し方を走馬灯のように拝見し、それでいながら深く味わえる素晴らしい展観でした。

先祖代々、同じものをつくり続けながらも、やはり同じではいけない。それが精神的にどのような重圧感を抱くものか、私どものような者にはわかるはずもありませんが、人生において、どんな人でも皆それぞれに今世でなすべき事、悩み、苦しみ、課題はあるわけで、それを受け入れ、葛藤しながらも乗り越えて歩んで来たからこそ、樂さんはあんなにも人々を魅了する方なのだと改めて思いました。

父親からは一切何も言われた事も、教わった事も無く、見て盗めの世界。若かりし頃の樂さんは、盛永宗興老師のもとへ、自身が作った茶碗を持ってよくでかけられたのだとか。
「坐禅せんでも、仕事机の前に坐っておればいい」、「禅坊主も茶碗屋も同じやわなぁ」。とは、老師が樂さんにかけられた御言葉。

特別展樂吉左衞門還暦記念Ⅰ -樂美術館-の続きを読む

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (0)  | Trackbacks (0)