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尺八の音色




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本日(7/12)、海外より研究所にお客様がおみえでした。
関心があるから……との事で、研究所のN先生(尺八歴40年以上)が皆様に尺八を披露する事となり、私もこの機会にと便乗して尺八の音色を間近に堪能する事ができました。
海外で高く評価されている尺八ですが、案外我々日本人は「聞いたことがない」という人の方が多いのではないでしょうか?
私は昔、あの五線譜では表せないなんとも言えない音色に惹かれ、習いたいとまで思った事もあり、その時には調べてみたりもしたのでしょうが、その情熱がどこかへ去るのと同時に知識も失い、本日は海外からのお客様の熱心なご質問により、こちらの方が勉強になるくらいでした。
日本人は、「あまりに質問しすぎると悪いかしら」というような遠慮から、なかなかに相手を質問ぜめにするのを嫌う傾向がありますが、色々な事を学びとろうとするならば、あのような姿勢は見習うべきだなぁ…と感心したのでした。

昔は尺八の音でも低音が好きだったのですが、高音の透き通るような音色が今の自身の心には響くなぁ…と感じたのでした。あのような音色を出す事により、悟りを得るというのもあるのだろうなと思いました。
また、長く使いこまれた尺八の美しさに、先生がどのように尺八を吹いてこられたのかが見えるようで、その事にもいたく感動したのでした。物に心は宿りますね。

さて、尺八にも色々な流派があるようですが、N先生は普化尺八(明暗)をなさいます。中国の普化宗(臨済禅師と交流があった普化を祖とし、臨済宗の一派ともみなされています)が日本に伝わり、禅の修行や托鉢に尺八を使い、また、坐禅をするよりも尺八を吹く事によって悟りの境地を求めたという事実もあるらしく、“吹禅”ということばもあるそうです。
なかなかに複雑な歴史を持ち、ここで皆様に詳しくご説明をさせていただくには、私の知識はあまりに乏しいので控えたいと思いますが、インターネットで調べると、流派の公式HPなども出て参ります。
是非皆様もこの機会に日本の誇るべき文化の一つ、尺八について学んでみられてはいかがでしょうか。

by admin  at 07:30
コメント
  1. 尺八は私の郷里である紀州の興国寺のご開山である心地覚心禅師(法燈国師)が唐より持ち帰ったものであります。現在の興国寺は妙心寺派に属しておりますが、かつては法燈派の大本山でありまた虚無僧の大本山でもありました。
    私が子供の頃参禅した折にも、何人かの人が尺八の練習をしていたのを記憶しております。

    by 御坊哲  2010年7月13日 17:52
  2. 御坊哲さん

    いつもありがとうございます。
    そうなのですか!>由良の興国寺
    存じ上げませんでした(当方在家の職員です。僧侶である上司などは存じ上げておりました)。
    少し調べてみると、興国寺近くの看板には「醤油・味噌・尺八発祥の寺」と、書いてあったりするようですね。
    また色々とご教授下さいませ。

    by 禅文化研究所  2010年7月14日 09:16
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