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不審花開今日春 -京都・霊鑑寺の椿-


月光椿

今年もありがたい事に、3月28日~4月5日まで、別称“鹿ケ谷比丘尼御所”・“谷御所”とも呼ばれる門跡寺院・霊鑑寺(臨済宗南禅寺派)が公開されていました。
ブログでも何度かご紹介しておりますが、春と秋・椿と紅葉の美しい時期に限り1週間ほど特別公開されるのです。公開日程がわかった時点で、ブログや禅文化研究所のメールマガジンでもお知らせしておりますので、是非お心に留めておいていただき、春や秋に京都を訪れる際は、ご参拝なさってみて下さい。

さて、私が毎年こちらを訪れていて思うのは、「不審花開今日春」という禅語です。
表千家不審庵の号もこの語から来ているのですが、幾重にも美しく重なった衣笠(椿の種類)の花びらや、言葉では表現しきれぬ美しい白い色、京都市の天然記念物にもなっている日光・月光椿、黒椿のドラマティックな真紅の蕾、どれをとっても人智を超えたものとしか思えず、じっと見入るにつれ「あぁ、不思議だなぁ。どうしてこのように咲くのか…」と心から思い、人間のわかる事なんて微々たるものだ、おごってはいけないな…と思い知るのです。
道端に咲くたんぽぽを見てもそう思うべきですがなかなかそうもいかず、いつもこちらの椿を見に行くと心新たに気づかされるのです。

08年の霊鑑寺
07年の霊鑑寺

哲学の道の桜
哲学の道 満開です!
by admin  at 07:30
コメント
  1. こんにちは!
    このところ暖かいを通り越して暑いくらいの日和の宮崎です(^^)
    京都も暖かですか?春爛漫で、素敵ですねぇ。

    >人間のわかる事なんて微々たるものだ、おごってはいけないな…と思い知るのです。

    ホント、その通りですね。
    全て、自然が訓えてくれます。最近、自然のリズムに身を任せて生きていく素晴らしさに私自身も改めて気付かされています。
    そして、そんな気付きの想いを常に持たれている禅研究所の皆さんも、素敵だな~って思って、いつも拝読しています。

    私は老子・タオの訓えが好きで、日本に伝わってきた南宋禅は老子道徳経の影響を受けていると、書物で読んだことがありますが、
    いかがでしょうか。

    「気付く眼」を持つと、毎日が素晴らしい発見の連続ですね。
    感謝です♪

    これからも宜しくお願いします!

    追伸:先日ご指摘がありました私のブログ上にての記載等の不備、訂正加筆致しました。
    以後気をつけます。
    申し訳ございませんでした(^^;)

    by みこ  2009年4月10日 10:35
  2. みこさま
    コメントありがとうございます。
    京都もここ2~3日で急に暖かくなりました。

    > 私は老子・タオの訓えが好きで、日本に伝わってきた南宋禅は老子道徳経の影響を受けていると、書物で読んだことがありますが、いかがでしょうか。

    老荘思想の影響を受けているとおっしゃっているのは、曹洞宗道元禅師の源流になる宋代末期の禅僧、宏智正覚禅師の黙照禅のことだと思います。
    当方の臨済宗はその双璧にいわれる大慧宗杲禅師の看話禅の系統にあります。

    簡単に云うと、黙照禅は自己の本来性を信じて疑わない立場で、大悟を期待せず黙々と清浄な本来の自己と向き合うために坐禅するというもので、かえって看話禅は、いわゆる禅問答(古則公案)をとりあげて、大疑のもとに大悟ありとして己事究明をはかろうとする禅なのです。

    ちょっと分かりにくいかもしれませんが、結局は己事究明のためのスタンスの違いなのですが。

    追伸:ご理解・訂正いただき、誠にありがとうございました。

    by 禅文化研究所  2009年4月10日 14:04
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