May 02
2007
韓国 -大韓仏教総本山曹渓寺-
朝鮮王朝(李氏朝鮮)では儒学が尊重された一方、仏教は衰退の一途を辿った。朱子学を自己の行動規範とする「士大夫」の目には、仏教は「婦女子」の信じる蒙昧な宗教と映ったのである。
王朝末期以降、紆余曲折を経ながらも仏教は復興し、多くの宗派が成立する。1941年に韓国仏教の最大宗派である曹渓宗が成立した際、総本山となったのがソウルの曹渓寺(チョゲサ)である。
ビルに取り囲まれた境内はそんなに広くはない。町なかのお寺、といった風情である。だが、大雄殿(本堂)の内部で、熱心に五体投地の祈りを捧げる信者たちの熱気には、圧倒的なものがあった。そのほとんどは女性である。