トップページ » 2006年11月16日

虎渓山永保寺

虎渓山永保寺

岐阜県多治見市にある、南禅寺派の修行道場、虎渓山永保寺を訪れた。
妙心寺派の某教区寺庭婦人研修会がここで開かれ、私は、ここに講師として呼んでいただいたためである。
ここは天龍寺開山でもある夢窓国師が開かれた名刹であるが、数年前、方丈や庫裡を消失した。
火事の際には、火は屋根裏をつたってあっというまに延焼したため、消防車がかけつけたときには、ほぼ焼け落ちてしまった後だったということである。
今、その再建工事の真っただ中である。


再建中の方丈

先にも書いたとおり、この寺は約700年前に夢窓国師が開かれた寺で、水月堂と呼ばれる観音堂は、夢窓国師が開かれた翌年に建てられたものである。その前に広がる廻遊式庭園は、これも夢窓国師の作庭であると伝えられている。


夢窓国師の作庭



橋の向こうに見えるのが観音堂(水月堂)


実は、私がここを訪れたのは初めてである。だが、私が5歳の時に亡くなった祖父が、この道場で長い間修行したと聞いている。
研修会の私の拙い話の前に、萬仭軒老大師の御法話を頂戴したのだが、その中で、昭和2年当時には、ここには100名を数えるほどの雲水がいたため、禅堂は非常に大きいのだと聞かされた。その中の一人が私の祖父であったのだと思い、きっとこの庭を見ながら夜坐をしたのであろうかと思うと、感慨一入であった。

研修会を行なった寺庭婦人会は、皆で延命十句観音経の写経を奉納し、永保寺の再建祈願をされた。
ただ心配なことに、この再建工事を行なっている中村建設が、9月に不渡り手形を発行し民事再生法を申請したということで、住職である萬仭軒老大師をはじめ、関係各位のご心労をお察しする。

by admin  at 07:30  | Permalink  | Comments (1)  | Trackbacks (0)