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売れるものを作るのか、売れなくても作るのか

編集中の新しい本の発刊日が近づくと、編集室からスーツを着て書店営業に出るのも私の仕事の一つである。
特に今年は新刊書籍が多いので、春につづいて、秋にも回ることになるだろう。

禅文化研究所の本を置いてくれるような書店は、多くの書店の中でもほんの一部分だが、それでも、その書店毎に特徴があって面白い。

全国展開している書店で、いわゆるコンビニのように売れるものをどーんと置いている店、あるいは、売れなさそうな本でも、ここに行けば揃っていると言われるような書店を目指す大型店。
逆に行ってみるとホントに小さな郊外書店なのに、店長や担当者がとても工夫をしていたり、店長自らが推薦する本を中心に全国に顧客を持つ店もある。ここはホントに驚きなので、あえて書店名をあげよう。読書のすすめという郊外店で、『和顔』『愛語』は、全国一の売上げをされている。
他にも地域に根差して活動している店。書棚の配列が無茶苦茶で、ホントに売る気があるのかな?という店もナキニシモアラズ。

考えてみると、書店は本来、その地域の文化の発信地だったはずだ。
なのに、ある店では店長が、「この町の文化レベルを考えたら、こんな本は売れないよ」と豪語されると、ガックリくる。
でも、これは、作る側にも言える話
売れるものを作るのか、売れなくても大切なものを作り続けるのか。このバランスは微妙だ。
いずれにしても、ライブドアや村上ファンドのように、人の汗で自分が儲かるようなことではなく、伝灯をまもりつつも創造的な仕事をしていきたいと、思っている。
(E.N wrote)

by admin  at 11:00
コメント
  1. こんばんは。
    「禅僧になったアメリカ人」大変面白かったです。その日のうちにあっという間に読みました。ワタシのいる札幌の紀○○○書店では仏教書のコーナーに4冊ほどありましたよ。本のタイトルもストレートでいいんじゃないでしょうか?
    仏教関連の本ってなんとなく自己啓発くさいタイトルの本って多いですけど、そういう意味でこの本はわかりやすいというか、本の内容を想像しやすいです。

    by kanno  2006年7月12日 22:21
  2. kanno樣
    コメントを頂き、ありがとうございます。
    さすがに札幌の書店までは営業に行かせてもらえないのですが、出版社と書店の間の流通を行なう取次会社(東販や日販など)があり、新刊が出ると、その取次会社が実績などを見た上で、適当な数を書店に流通してくれるシステムがあるのです。
    もちろんFAXなどで書店樣からの注文も貰いますが、そのおかげで、営業に回れない書店にも新刊がおいていただけるのです。

    『禅僧になったアメリカ人』をご購読いただき、ありがとうございました。一昨日、京都新聞の夕刊にも記事掲載されたところです。タイトルも二転三転しましたが、おっしゃるとおり、ストレートな方がいいだろうという判断で、このようなタイトルになりました。
    今後とも、ご意見などお聞かせください。

    by 禅文化研究所 E.N.  2006年7月13日 08:50
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