公益財団法人 禅文化研究所

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臨済録をめぐる断章
―自己確立の方法―
著・西村惠信(禅文化研究所所長)
46判上製/288頁
定価:本体2,300円(税別)
ISBN978-4-88182-214-2 C0015
発行日:2008/11/17
語録の王として珍重されてきた『臨済録』は、もともと禅門修行者のためのテキストで、その格調はすこぶる超俗的。それをいま、一般の方達のために説き、現代人の「自信」を喚起させようとする著者の細心が全編に漲る。
同じ著者の『無門関プロムナード』とともに、広く一般読書人お薦めしたい一冊です。

プロローグ――本書を手にされた方へ

第一章 達磨から臨済へ
臨済が登場するまで/達磨の西来/仏心宗/自覚の宗教/さまざまな禅宗/南宗頓悟の禅/迷悟からの脱却/馬祖道一の平常禅


第二章 『臨済録』の周辺
宗教と聖典/教外別伝の一派/禅語録というもの/禅録の読み方/録中の王、『臨済録』/五家七宗の家風/臨済宗のイメージ


第三章 人間臨済の誕生
出家まで/禅門を叩く/行業純一の人/黄檗の三十棒を喰らう/言下に大悟す


第四章 機鋒峻烈の家風
山に松を栽える/徳山をひっくり返す/挨拶は恐ろしい/活き埋めにしてくれよう/睡虎のはたらき/居眠り坐禅を褒める/潙山との力比べ/道場の規則を破る/悟りを超える


第五章 説法の舞台
黄檗を去る/初めての説法/やむを得ず法を説く/口を開くことを得ず/盤珪和尚の聴聞禅/河北の辺り/説法の舞台/普化和尚のこと/畜生に生まれたい/臨済の死に方/法は滅びる/真理は伝えられない


第六章 臨済の教育法
弟子を突き放す/「真正の見解」を得よ/体究錬磨せよ/時、人を待たず/正しい師を選べ/読経は地獄の業/仏道修行も罪造り


第七章 仏を殺し、祖を殺す
仏は便所の壷/魔も仏も打破せよ/内にも仏なし/坐禅はわざとらしい/もう一人の自分がいる/無心なれば煩悩なし/真仏に姿はない/「無事」は十年の修行に勝る仏が悟らないわけ/嫌うべきものなし/禅はニヒリズムか/ポストモダニズムの時代
/刹仏刹祖/「人惑」を受けるな/病は不自信の処に在る/生ける屍となるな/私の説法を信じるな/枯骨に汁はない


第八章 真仏のありか
即今目前聴法底/真仏は世界中に/諸仏の母/この自分こそ仏/一無位の真人/問うことさえ知らず/「人」を識取すれば自由
/真空妙有/心法無形、十方に通貫す/心は伝えられない/心の在りか/心ははたらきである/身心一如/「真人」のはたらき/途中と家舎


第九章 随処に主となれ
自由と自恣/真の出家/宗教的自由/随処作主/「成りきる」ということ/生死に染まず/幸せの所在/人には欠けたところなし/人生も一息の呼吸から/平常心是れ道/本来の面目/意識以前の自己/無事是れ貴人/神は死せり/生死する仏/迷いの三界こそ


エピローグ―臨済禅と現代
古典の意味/軸の時代/国際化とグローバル化/コミュニティの崩壊/世界文化のコンフォミズム/素っ裸にされた人間/個人の時代/「存在」の復権/臨済の叫び/正しい師を見つけよ


結びに代えて

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読者からのコメント
日常に得難く、又、在家の私達には中々理解が困難な臨済録の原典に近づくことが出来、感謝しております。国際化、グローバル化の現代は、コミュニティや家族という最小単位の社会でさえ、崩壊の危機というべき現象を起こしています。しかし、今まで人間はあまりにも社会的動物であり過ぎたのではないか。個人の時代といっても、犬、畜生ではない筈だから、人間たるもの、もう一度、自己を直視し、自分自身から出直そう、と、それを臨済の禅思想から切り口を読者に与えているようで、楽しみです。 京都府・64歳男性
「赤肉団上に一無位の真人有り」との事。詳細に解説してあり、面白い。 神奈川県・58歳男性
この本を読んでみて感じた事は、人からは心を通して見るべきである事、感じ方、考え方は色々あると思う事がわかった様な気がする。 神奈川県・58歳男性
国際化、グローバル化の現代はコミュニティや家族という最小単位の社会でさえ、崩壊の危機というべき現象を起こしています。しかし、今まで人間はあまりにも社会的動物であり過ぎたのではないか。個人の時代といっても、犬、畜生ではない筈だから人間たるもの、もう一度、自己を直視し、自分自身から出直そう、と、それを臨済の禅思想から切り口を読者に与えているようで楽しみです。 匿名希望
道に歩む足取り、生き方の指標のヒントにしたい。 石川県・68歳男性