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白隠禅師法語全集 第8冊
さし藻草・御垣守
訳注・芳澤勝弘
46判上製/370頁
定価:2,750円(税込)
ISBN978-4-88182-137-4  C0015
発行日:2000/5/31
『さしもぐさ』は、次の三部からなる。
○さし藻草 巻之一
さる大名に宛てた書簡の形をとる。第一に、養生して長寿をたもち善政をおこなうことを勧める。養生のためにはまず女色が第一の禁物ゆえ、大奥の女性の数を減らし、倹約につとめねばならない。第二に、この世に高貴な身分に生まれたのは宿善の結果であるが、その身分に奢っていれば、また必ず三途に堕ちることになる。得がたき人身に生まれたのだから、菩提心をおこして菩提を求めよ、と勧める。
○勘発菩提心の偈 附たり御垣守
巻之一と巻之二の間にはさまる。漢字七字の偈の形をとるが、訓読すれば、仮名法語と同じものである。来世を否定する断無の邪見を否定し、末世の贋僧の無事禅を批判し、公案による見性を勧める。そして、一旦の悟りに安住することをいましめ、永遠の「悟後の修行」を勧め、菩提心なければ魔道に堕つと説く。最後のところでは、悟りにいたる心の過程を心王軍と魔軍の戦いの形で語る。
○さし藻草 巻之二
仁政と徳治を行った故人の遺言往行を集めたもの。大部分は、唐の太宗の言行を集めた『貞観政要』からとられている。わが朝では仁徳天皇の徳治の例をあげ、君主たるものが執るべきまつりごとの要諦を説く。 
気は民のごとし、民衰えば国亡ぶ。気尽きるときは人も必ず死す。善政を挙げ、菩提を求めるよう勧める。その心なければ魔道に堕ちると説く。

さしもぐさ 巻の一(意訳)
松蔭寺来訪のお礼/仁政こそ第一/まず養生、次に仁政について述べる/健康あってこそ徳行も積める/第一の禁物は女性/宮女三千人を放逐した太宗/一夫一妻で事足る/見苦しいお多福という美人/奢侈はすべて民百姓の労苦の結果/痴福は三世の冤/三因仏性  その他

さしもぐさ 巻の二(意訳)
伯成子高、野に隠れる/苛政は虎よりも猛し/万民の危うきを救う者は/君不才なれば、民は窮す/臣は肱、万民は股/侯霸の仁治/羊 の仁治/子産の仁治/文帝の節倹/孝宣帝、渤海を救う/武帝の賢者登用/孝宣帝の常平倉/太宗、下問して学ぶ/民豊かなるが真の礼楽/民足るが真の祥瑞/太宗、刺史の善政を考課する/上は天をおそれ、下は群臣の見るをおそれる その他

さし藻草 卷之一(本文・注)
勸發菩提心偈 附たり御垣守(本文・注)
さし藻草 卷之二(本文・注)

解説
さし藻草・御垣守 解説

さし藻草 卷之一(原本影印)
勸發菩提心偈 附たり御垣守(原本影印)
さし藻草 卷之二(原本影印)

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