
「禅の至宝」(文化財目録整備事業)
| 詳細 | 各派本山や、文化財を多数所蔵する由緒寺院の宝物を、保存性や再現性に優れた電子データで記録し利用するための「デジタルアーカイブ 禅の至宝」を、㈱アイデアマンユニオンと共同して制作し、22年度春から運用開始しております(一般公開はしていません)。 23年度より、協力の得られた寺院に撮影に出向くなどして、絵画・墨蹟類を中心にデジタル写真に撮影しデータベースに保存していきます。また同時に、専門分野の学芸員に依頼してそれらデータの目録情報を入力してまいります。これを5ケ年を目途に構築していく予定です。 将来的に、一般公開を許可された作品に限って、インターネット上で禅芸術・禅文化を紹介するウェブサイト “WEB禅の至宝展「禅のことをもっと……」”(英・中・韓などに多言語化も考慮)にて情報の公開を行ないます。 1.事業の趣旨各本山や寺院において、古くから代々伝えられてきた寺宝什物や有形無形文化遺産を如何に保存記録し、後世に継承していくかということは、管理者に課せられた重要な課題の一つでしょう。アーカイブ(archives)とは、本来「公文書、古文書保管所、文庫」などの意味をもち、将来に伝えるべき歴史的価値のある記録資料を指します。従来、各寺院では手書きの目録で残されてきたものが、それにあたるといえましょう。丁寧に管理されている寺院の場合には写真撮影し、フィルムや紙焼きを目録と一緒にして管理されている寺院もあろうかと思います。 弊所が提案するデジタルアーカイブは、さらにその一歩先に踏み込むものです。有形・無形の文化遺産を、記録精度が高く保存性や再現性に優れたデジタルデータ(電子情報)の形で記録し、データベース化やネートワーク化などを計りながら、一元管理を行ない、また「禅文化財データベース」として様々な形で公開、利用していこうとする新しい情報構築の概念です。 また、従来の手書き文字や写真による記録から、一元的な管理が容易で経年変化のないデジタルデータでの記録に改めることにより、文化遺産そのものの保存や修復、公開にも大きく資することが既に実証されつつあります。 また、自然災害や不慮の事故も考え合わせると、散逸や消失することなく後世に広く伝える義務を果たせるかどうかについても、従来の方法では疑問視せざるを得ないことも多くあります。管理者は、文化財(美術品)本体のみを管理すればいいわけではなく、可能な限りの高精細画像情報や学術情報を含む詳細な目録情報も併せて管理するべきなのではないでしょうか。 しかしながら現在わが国で行われているデジタルアーカイブ事業は、一部の地域振興型のプロジェクトを除くと、その殆どが博物館・美術館・図書館などすでに作品の収蔵や管理体制が確立された施設での事例でしか見当たりません。 本事業の対象となる禅の文化遺産は、臨済黄檗の各本山・派末寺院の独自の管理の下に所有されている寺宝や文化財が中心です。これは宗門の寺宝什物や有形無形文化遺産を保存記録していくうえで、利便性、経済性、管理方法、文化的、社会的意義などの観点からも大変意味のあることです。 禅文化研究所では、5年以上前から、こういったデジタルアーカイブ構築を目指した禅文化財データベースの指針づくりを京都文化財団の協力のもとに行なってきました。 また、こういったデータ管理指針やデータベースソフトウェアとして市販されている博物館用のソフトウェアは非常に高額(何千万円もする)であり、また独自に開発するとしても、各派本山や一寺院で行なうには、ノウハウや費用面で大きなリスクが発生し、負担が高くなります。 そこで、禅文化研究所では、禅文化財データベースとして管理するためのソフトウェアの検討開発も先行して行ない、(株)アイデアマンユニオン社と共同開発しました。これが、デジタルアーカイブス「禅の至宝」です。 2.事業の目的
3.事業の概要本事業の概略は下記の通りです。t$とv$は、この順序で行なわなければならないというものではありません。併行して作業していくことが可能です。i. 禅芸術・禅文化に関するデジタルアーカイブの製作
原則として各本山や派末寺院が、製作指針に準じた形式(フォーマット)で、文化財ごとの画像・映像情報(音源も含む)を記録することを目標にします。ただし、現状にあるフィルムや紙焼きを一般的な解像度でスキャニングしたもの、あるいは簡易なデジタル撮影等によるもの等も初期情報として利用することも考慮します。 高精彩なデジタル撮影等が必要な場合、指針に準じて実行するものとします。撮影等の依頼をうけた場合には禅文化研究所が協力を行ないます(システム利用料とは別途に諸経費が発生します)。 なお、デジタルアーカイブの製作指針については、資料「デジタルアーカイブの製作指針」をご覧ください。 ii. 禅芸術・禅文化に関するデジタルアーカイブの製作
ここで構築する目録情報は、デジタルアーカイブの管理時において真正性、信頼性、保存・再現性を保障するために、作品について記述されたテキストデータとt$で製作した画像等のデータです。 実運用では、作品の内容に関する属性、特性、意味づけなどの情報をもち、より多くの作品情報を保有することが望まれます。またデータベースからデータを抽出する際の履歴情報も保管します。 本システムでは、数年前より行なってきたデジタルアーカイブ構築指針にしたがって、今後の活動に不可欠な以下の項目を策定し、システムの入力項目にしました。
登録されたデータベースは文化財情報として、登録者はいつでも閲覧でき、また追記、更新できます。こうして宗門内部で共通利用できる資産となるデジタルアーカイブス「禅の至宝」を構築していただきます。 なお、デジタルアーカイブス「禅の至宝」は閉ざされた環境化のデータベースですので、一般の閲覧はできません。一次資料として管理していく情報を蓄積していくことになります。 そして、データ内容が整った作品から、自本山以外の寺院に本システム内において公開したり、iii.での一般公開を許可するための公開設定をしていただくことになります。 iii. 禅芸術・禅文化デジタルアーカイブの公開と利用また、所蔵寺院の希望があれば、文化財の品位を貶めない範囲内での商業利用や複製製作を促進するために、禅文化研究所にて、所定の貸出使用規約、貸出使用料金表などを策定し、運用することも可能です。 iv. デジタルアーカイブス「禅の至宝」について臨済宗黄檗宗全体の事業として立ち上げておりますが、根幹となるのは、各派本山が所蔵する宝物什物を、派内のみで登録・閲覧・編集・削除するための管理システムです。ただし、本事業としては、これらの情報を臨黄各派寺院の共有情報としていただくことですので、公開可能なものは、順次、システム内公開、あるいは一般公開へと設定を変更していただくことを期待しています。 |
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